watch
見たい
【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.24】
枝の鹿
2023.06.04
前橋は風の街だから、飛ばされた枝を並木道でよく見かける。
今、その枝を拾い集めている。乾燥させて、動物を作りたいのだ。前橋が、人が住んでいない原野だった時代に生息していた動物。全種類。それを枝を使って作り、枝が落ちていた場所に置いて撮影。そういう計画がふと頭に浮かんできたのだ。
以前、子どもがまだ小学生だった頃、夏休みの宿題の工作で、拾ってきた枝で鹿を作った。針金で形を整えるので、子どもの力では難しい。大人がついつい手伝ってしまう。手伝っているうちに、大人の方が夢中になってしまった。その楽しさをまた味わってみたくなった。(笑)死んだ枝が角になったり、脚になって生まれ変わる。
前橋の路面は、工作素材の宝庫なのだ。
前橋の路面は、撮影スタジオなのだ。
Sakumi Hagiwara
萩原朔美(はぎわら・さくみ)
1946年11月、東京都生まれ。寺山修司が主宰した「天井桟敷」の旗揚げ公演で初舞台を踏む。俳優の傍ら、演出を担当し映像制作も始める。版画や写真、雑誌編集とマルチに才能を発揮する。昨年、世田谷美術館に版画、オブジェ、写真のすべてが収蔵された。著書多数。現在、多摩美術大学名誉教授。2016年4月から前橋文学館館長。2022年4月から、金沢美術工芸大客員教授、アーツ前橋アドバイザー。
関連する特集・連載
-
2024.10.14
- 前橋新聞
【デジタルブック】 前橋新聞me bu ku第13号
-
2024.07.17
- 前橋新聞
【デジタルブック】 前橋新聞me bu ku 【特別号】 パワーモール前橋みなみ特集
-
2024.11.12
- 見たい
【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.39】「セリフ覚え ああ苦行」
-
2024.09.05
- 見たい
【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.38】逃げられない定点観測
-
2024.08.08
- 見たい
【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.37】手を振り見送ってくれる県庁舎
-
2024.06.04
- 見たい
【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.36】ご近所名木100選
-
2024.04.30
- 見たい
【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.35】「河の表情が街の文化」
-
2024.02.26
- 見たい
【萩原朔美の前橋航海日誌Vol.33】「雨が描く山脈」