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クラフトビール醸造所「ルルルなビール」
10月末、プレオープンへ向け工事進む
2022.09.12
前橋初のクラフトビール醸造所「ルルルなビール」の工事が急ピッチで進んでいる。クラウドファンディングで集めた500万円を元に、「10月末からビアバーとして営業を始め、年内にはここで造ったビールの提供を始めるのが目標」と大のビール好きのオーナー、竹内ヤクトさん。どんな醸造所になるのか、話を聞いた。(取材/阿部奈穂子)
常時9種を提供
――醸造所の場所を教えてください。
国道50号と馬場川を結ぶ坂の途中。住所は前橋市本町2-1-12。かつては北欧家具の店でした。鉄筋コンクリート2階建てで屋上付き、築50年のビルをいま、リノベーションしている真っ最中です。
――どんな店舗になるのでしょう。
受付は2階で、厨房、飲食スペースもあります。1階の半分は冷却施設と4棟の醸造タンクを設置。残り半分は、地面に真砂土を敷いた広場「ルルパーク」。飲食スペースほどカチッとしていなくて、醸造タンクを見ながらビールをカジュアルに楽しめる広場です。
コンクリートの壁面や赤い鉄柱は元のビルの面影を残すため、そのまま生かそうと。奥野石材さんに指導してもらい、自分で壁面を磨き込んでいるところです。
――完成の予定は。
飲食スペースは10月末時点で完成している予定です。取り急ぎ、ビアバーとして営業を始め、醸造免許を取得し、オリジナルビールが完成したところで本格オープンしていく、という流れになります。来年の春には屋上でも飲めるようにできたらいいなあと思っています。段階的に作り上げていきます。
――クラフトビールの種類はどのくらい。
店頭で提供するのは常時9種類。数10種類の麦や酵母、100種以上のホップを組み合わせていろいろな味を作っていきます。地元の素材、前橋大島梨や赤城山のブルーベリーなど、副原料を入れたビールも揃える予定です。
――価格はいくらくらいですか。
ハーフパイント(240㍉㍑)600円~1000円という感じです。1 パイント(480㍉㍑)もご用意します。
――ビール醸造の修業に行かれたそうですね。
三重県伊勢市の「伊勢角屋麦酒」で4カ月間、東京都足立区の「さかづきブルーイング」で2カ月間、研修させてもらいました。いままではただのビール好きだったのですが、化学的な知識が必要なこと、危険と隣り合わせの仕事であること。醸造所ごとに原材料や作り方がまったく違うことを学び、ビールへの向き合い方が変わりましたね。
伊勢の生カキをフライで
――ビールのつまみも気になるところです。
いち押しは「カキフライ」です。伊勢角屋麦酒の名物「カキフライ」に倣って…。一年中、伊勢の生カキをフライで提供できるようにします。ほかに県内の手づくりソーセージやカリーブルストなど。カリーブルストとは焼いたソーセージやポテトの上にケチャップやカレー粉をまぶしたドイツ・ベルリンのファーストフードです。
――なぜベルリンなのでしょう。
8年前、ベルリンを旅行し、「ベルリナーヴァイセ」を飲んだのが、クラフトビールに目覚めたきっかけだからです。色は緑や赤で、さっぱりした酸味があって。ビールは苦くて飲めない、という人もこれならいけるんじゃないかなと。
――竹内さんのストーリーがたくさん詰まっている醸造所になりそうですね。
そうですね。2012年に前橋に引っ越してきて、街中にビアバーがないことが寂しくて。10年越しの悲願達成という感じです。