イクラ、ウニ、高騰にも負けず
朝日寿し

初めて暖簾をくぐる寿司屋さん。緊張しますね。怖い店主でなければいいな。「お一人様？ カウンターへどうぞ」。人懐こい感じで安心しました。

お得なランチもありますが、ここは奮発して特上。500円増しでウニが付くとか。不漁で仕入れ価格も上がっているはず。感謝しつつお願いしました。

葉の形をした涼やかな皿に盛られてお出ましです。上段は中トロ２貫に甘エビ、タイ。下段は赤貝、ウニ、イクラ、ウナギと鉄火巻。豪華な顔ぶれです。

寿司で一番好きな鉄火巻を食べたら、淡白なネタから行きます。タイはモミジオロシとアサツキが散らしてありました。甘エビの甘いことといったら。

中トロは宮城県の北沖で獲れた近海物のバチマグロ。脂がくどくなく、マグロ本来の旨味を味わえます。それが２貫。いいじゃないですか。

そろそろ、行きましょう。イクラとウニの２強を。イクラはいい塩梅に醤油付けされています。ウニはミョウバンが感じられないほど新鮮。仕入れ先と交渉を重ね、行きついたバフンウニとか。単品では1貫900円ですから、随分とお得ですね。

創業して半世紀を超えました。100㌔超と体格のいい3代目、宮内正さん(44)は前橋育英高の柔道部出身。「鬼のＡ先生のお弟子さんですか」と聞くと、「お陰様で厳しい板前修業にも耐えられました」と直立不動で答えます。

つまみも豊富にあります。「できるだけ美味しい寿司を安く召し上がってほしい」。３代目の心意気、よく受け止めます。