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絵本作家、谷口智則展 幕開け
前橋の春を一枚の絵に

2026.03.15

絵本作家、谷口智則展 幕開け 
前橋の春を一枚の絵に

 絵本作家・谷口智則さんの原画展が前橋市元総社町のノイエス朝日で開かれている。初日の14日はライブペインティングが行われ、谷口さんは約90分で50号のキャンバスにアクリル画を完成させた。桜の木の下の動物たちやサンタクロース、赤城山、前橋の街並みも描かれ、会場を訪れた親子連れ約80人が、世界に一つだけの作品が生まれる瞬間を見つめた。
(取材/阿部奈穂子)

大盛況のライブペインティング

 キャンバスは最初から黒かった。墨汁で塗られた画面に、谷口さんがアクリル絵の具を重ねていく。最初に現れたのは犬や猿などの動物たち。

 色が置かれるたびに、子どもたちは「次は何色かな」と身を乗り出し、筆の動きを追った。

▲筆先に観客の視線集まる

 ライブの途中には、キーボード演奏に合わせて4人組の「かにーず」が絵本の読み聞かせを披露した。作品は「ゴリラのくつや」と「ブルドッグたんていときえたほし」。主人公のゴリラやブルドッグの声は谷口さん自身が担当し、描きながら声を重ねるというぜいたくな時間になった。

▲手を動かしながら、読み聞かせ

 会場から「サンタさんを描いてほしい」と声が上がると、谷口さんは流れを止めることなく構図を広げた。満開の桜の木の下に集まる動物たちにサンタクロースが加わり、背景には赤城山も姿を見せた。

 「前橋の景色も描くよ」と語りながら群馬県庁、るなぱあくの木馬、白井屋ホテルも右下に描き込んだ。

▲左からもくば、県庁、白井屋ホテル

前橋との縁を未来へ

 仕上げのあと、谷口さんは完成したばかりの絵の前で最新作「100人のサンタクロースの12かげつ」を読み聞かせした。絵を描く人であり、物語を語る人でもある谷口さんの魅力が、一度に立ち上がる締めくくりだった。

▲出来上がった作品の前で

 谷口さんは1978年生まれ。「くいしんぼうのクジラ」で第9回ようちえん絵本大賞、「カメレオンのかきごおりや」で第12回ようちえん絵本大賞を受賞した絵本作家の第一人者。

 「再来年には在住の大阪府四條畷市に、自費で図書館と美術館の複合施設を建てる予定です。絵本イベントが盛んな前橋と姉妹都市のようにつながれればいい」と笑顔を見せた。

▲谷口さんの世界を楽しもう

 会場には原画約40点のほか、サンタクロースのオブジェ、絵本やグッズも並ぶ。14日に描き上げた作品も展示されており、作家の手から生まれた熱をそのまま感じられる。

絵本作家 谷口智則展
会場/ノイエス朝日(前橋市元総社町73-5)
会期/月14日(日)~22日(日)10時~17時
※最終日は15時終了
入場料/無料