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前橋テルサ 最終審査は1社のみ
市民不在のまま3月決定か
2026.02.19
前橋テルサの活用をめぐる前橋市の事業提案型公募で4社が応募したことが分かった。書類審査で2社が対象から外れ、その後の審査で大手不動産会社の提案も不採択となり、最終審査に進むのは1社のみとなった。経済界の代表や民間の有識者による最終審査は3月5日に開かれる見通し。最終審査に残った提案が認められれば優先交渉権者に決まるが、満足できる提案でなかったと判断された場合は市が解体することになる。
幻に終わるか「空中庭園」
不採択となった大手不動産会社の提案は既存建物を改修、中層部に既存プールを活用した吹き抜けの「空中庭園」を設ける構想で、高層部はホテルとして運営。1階には飲食店舗を導入し、ホールも活用する計画だったという。
▲不採択となった提案のランドマークは「空中庭園」
▲ホテルを含む建物全体のイメージ断面図
不採択の主な理由として、前橋市は事業主体が企業単体ではなく、出資を募って設立するSPC(特定目的会社)であったことを挙げている。
これに対して、不動産会社は市に宛てた意見書で「公募要項上、SPCによる事業実施自体は否定されていない」と指摘。SPCの自己資本比率を50%とする計画で、事業遂行能力は応募企業が担保しているとしている。
金融の専門家は「大規模プロジェクトでSPCを採用するのは一般的な手法。リスク分担や資金調達の透明性を高める効果がある。地元の企業や個人が参画すれば“オール前橋”の体制づくりにもつながる」と解説する。
最終審査、公開求める声
公募の最終審査の対象が1社だけとなったことについて、学識経験者は「少なくとも2社の提案は議論の俎上に上げるのが公募の審査では求められる。マイナス点は市が報告すればよく、選択肢を残さないのは無理がある」と指摘、最終審査は市民にも公開して開くべきとしている。
前橋新聞me bu kuの取材に対して、担当の前橋市産業政策課は「応募した企業名や提案内容は決定してから公表する。応募や事前審査の状況については答えられない」と回答している。
最大13億円の市助成が想定される重要事業だけに、公募の目的や効果、選定基準や評価の考え方をどのように説明するのかが、今後の焦点となりそうだ。
▲ホールの再開を願う市民の声は大きい
市が最大13億円助成
3度目となる前橋テルサの事業提案型公募は2025年9月に要項を発表、今年1月5日から16日まで企画提案書の提出を求めた。
改修して活用する計画、解体した上で新たな施設を建設する計画のいずれも受け付け、土地は売却または10年から30年程度の定期借地とし建物は譲与する。土地の売却基準額は2億6702万5000円、賃貸借料は月額106万8000円。
建物の改修費用や解体撤去費用は事業者の負担を原則とするが、改修費、解体撤去・建設費の2分の1か13億円のうちの少ない額を上限に助成する。
公募2度不調、2023年から休館
前橋テルサをめぐっては、2009年に包括外部監査で存続の必要性に関して指摘を受け、2017年に廃止を決定した。2013年度から2022年度まで指定管理制度を導入して運営。2度にわたり民間への売却や賃貸を公募してきたがいずれも不調に終わり、2023年3月で閉館した。
市によると、指定管理下の10年間で累積32億円の財政負担があり、閉館後も年間4000万円支出している。再開の場合、施設改修に20億円必要となるほか、管理運営に年間2億5000万円が掛かることから、2024年8月、解体し当面は再開発事業に伴い閉鎖される中央イベント広場の代替広場とすると発表した。
前橋テルサ
1992年、前三百貨店があった場所に前橋勤労者総合センターとして建設された複合施設。地上12階、地下1階。外観はレンガ調で、大正ロマンを醸し出す。雇用・能力開発機構と共同保有していた前橋市が2004年に買収。前橋市まちづくり公社が運営、市は施設維持費用として年間2億5000万円負担してきた。ホテル、プール付きのフィットネス、多目的ホール、大小の会議室、レストランがあった。2023年3月から休館。


