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前橋市の小川晶市長が辞職
市長選「市民の声が大切」

2025.11.27

前橋市の小川晶市長が辞職
市長選「市民の声が大切」

 前橋市の小川晶市長(42)は11月27日付で辞職した。提出していた退職願が同日開かれた市議会第4回定例会の本会議で全会一致で認められた。年明けの市長選については、「明日からは1人の市民として自分で何ができるか考えていく」と明言は避けたものの、「1番は市民の声が大切。支持者や市民とよく相談しながら考えたい」と強調、すでに一部の支持者には意向を伝えており、立候補する見通し。新人で弁護士の丸山彬氏(39)が立候補の意向を固めており、選挙戦になるのは確実な情勢だ。

1月5日告示、12日投開票

 小川氏の辞職に伴い実施される市長選は1月5日告示、12日投開票と決まった。12日は3連休の最終日となる月曜。選挙の投開票日は日曜が慣例となっているが、前橋市選挙管理委員会は「11日の日曜は『はたちの集い』があり、できるだけ多くの有権者に投票してもらえるよう考慮した」としている。

 丸山氏の立候補の動きについて、小川氏は本会議終了後、記者の質問に答え、「志のある人がたくさん出るのはいいことだと思います」と答えた。数日前から把握していたが、今回の退職願提出とは無関係であるとした。

 小川氏、丸山氏のほか、昨年2月の市長選で小川氏に敗れた山本龍氏(66)や保守系新人、前回は小川氏を支持した共産党系の市民団体からの候補擁立が取りざたされている。

 市長選に合わせて、欠員1となっている市議会議員の補欠選挙も行われる。

退職金「たぶん受け取る」

 小川氏は群馬県議を4期務めた後、2024年2月の市長選で当選、前橋市初の女性市長となった。

 今年9月、既婚の男性市職員と複数回にわたってラブホテルで会っていた問題が週刊誌に報じられた。前橋市議会の7会派は定例会開会の11月27日までに辞職しなければ同日に不信任決議案を出すと表明、小川氏は25日、市議会議長に退職願を提出した。

 市長在職期間は1年9カ月。市職員課によると、小川氏の退職金は1181万2500円。小川氏は記者の質問に「たぶん受け取る」と答えている。

 前橋市で市長が任期途中で辞職したのは1958(昭和33)年以来。この時は病気が理由で、それ以外では初めてとなる。

 

 

子育て、農業、福祉で実績強調

 小川市長は市議会本会議初日の27日、退職願について発言した。

 「給食費の無償化、中学校体育館へのエアコン設置をはじめ、たくさんの施策を実現できた」と公約に掲げた子供・子育て、農業、福祉の充実に取り組んだ実績を強調した上で、「前橋の未来に不可欠な議論が控えている。議事進行の支障とならないよう、そして自分の行動にけじめを付けることが最善だと考えた」と辞職の理由を説明した。

 採決では市長支持派を含め全36人が賛成し、辞職が認められた。

「明日から御詫び行脚」

 小川氏は本会議終了後、記者の質問に答えた。

 市長選への意向を問われると、「一番は市民の声」として支持者らと相談して決める考えを示し、「出馬すべきではないとの声にはどう応えるのか」との質問には「一つの権利だというふうに思う」と答えた。

 意向を決める時期については、「明日から御詫び行脚させていただくので、いつまでにというのは現状では考えていない」とした。

 問題の対応に対して、「最初から不倫を認めていれば大事にならなかったのでは」と聞かれると、「ないものはない。男女関係や不貞行為、不倫ではないということを、ずっと説明させていただいた。認めろと言われても違うとしか言いようがない」と強い口調で答えた。