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大阪万博に赤城の「光の鳥居」
祭りの先の未来 映し出す
2025.10.04
閉幕を迎えようとしている大阪・関西万博の「つながりの海」で、夕暮れから夜にかけて神秘的に輝く「光の鳥居」が出現している。前橋市の三夜沢赤城神社に鎮座する「鏡界の鳥居」と同じデザイン。最終日前日の10月12日まで、光のアートをまとい水面を漂う。
ソウワとサンポが共同制作
日が落ちた暗闇の海。海床(うみどこ)ロボットに乗った光の鳥居は二対のアート、「阿(あ)」と「吽(うん)」を従え、ゆっくりと人口島・夢洲(ゆめしま)の南側に整備された海域を巡航する。かつて大阪万博の大屋根の上から世界を見守った太陽の塔の黄金の顔とシンクロし、時代を越えて「祭りの先に生まれる未来」を映し出している。
▲宇宙に繋がる「光の鳥居」の光
海床ロボットは竹中工務店を代表とする共同体が開発した都市型自動運転船。都市の水辺のイノベーションと未来の水上交通システムの可能性を世界に向けて発信するため、10月2日から万博会場内での展示とともに、つながりの海でデモンストレーションを展開している。
▲左が「阿」、右が「吽」
阿」、「吽」とともに宇宙に繋がる
鏡界の鳥居はSOWA DELIGHT(ソウワ・ディライト)代表、渡邉辰吾さん(前橋市)が中之条ビエンナーレ2023に出品し話題となった作品。展示後、赤城神社の鎮守の杜に奉納されている。
▲赤城神社の「鏡界の鳥居」。陽光を浴びて輝く
▲1年に1度、青白い光を発する
共同体から万博への出展の打診を受け、渡邉さんは鏡界の鳥居(高さ5㍍×幅5㍍)を一回り小型・軽量化した3.69㍍×3㍍の万博用の鳥居を制作。埼玉県内の人口湖で航行実験をして本番に備えた。
同時に、山梨県を拠点にしているクリエイティブチーム、SAMPO(サンポ)が神社の狛犬をモチーフにした三角形の「阿」と四角形の「吽」の制作を担当、三体を一組にした。
▲始まりを意味する「阿」
▲「吽」は終わり
光の鳥居から放たれる青白い光は「地球から出て宇宙を感じる光」(渡邉さん)。「始まり」を意味する「阿」、終わりの「吽」とともに、水平線上に参道を浮かび上がらせて人類の歩みを生成と消滅の循環の宇宙のリズムと重ね合わせている。
光の鳥居の航行を見届けた渡邉さんは「私たちが見いだしたかったのは祭りの先に生まれるそれぞれのミライ。夜のヒカリの中で浮かび上がる参道には私たちに求められる人類としての歩む道が示されている。そして、宇宙と繫がっている」と語っている。
写真撮影
大阪・関西万博:井上喜和
三夜沢赤城神社:木暮伸也


