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田中敦子先輩に誓う「音」の表現
リリスクminanさん、manaさん追悼展訪れる

2025.08.20

田中敦子先輩に誓う「音」の表現   
リリスクminanさん、manaさん追悼展訪れる

 ヒップホップユニット「リリカルスクール(略称リリスク)」のminan(ミナン)さんとmana(マナ)さんは8月20日、前橋市出身で昨年8月に急逝した声優、田中敦子さんの追悼展が開かれている「ヒストリア前橋」を訪れた。2人とも田中さんと同じ前橋女子高校の出身。大先輩を偲び、同じく「音」で表現する業界の後輩として活躍を誓った。

大先輩の功績に感激

 minanさんとmanaさんは新作EP『LIFE GOES ON e.p.』のPRのため、エフエム群馬(FM GUNMA)の番組に出演後、アクエル前橋内にある追悼展会場に駆け付けた。

 丁寧に記帳した後、展示物を熱心に見て回った。映画『プリティ・ウーマン』でジュリア・ロバーツ、『ハリー・ポッター』でハリーの母親、リリーの吹き替えをしたことを知ったminanさんは「どこかで聞いた声でした。有名な作品にたくさん出られていたのですね。すごい先輩であり、とても、素敵な女性ですね」と感心していた。

▲記帳するminanさん

 田中さんと同じダンス部出身のmanaさんはダンス部時代の写真に目を止めた。「田中さんは言葉よりも表現ができるとダンスをされたそうですが私も同じ。その後、田中さんは声優、私はラッパーとして『声』を使うことになりました。とてもシンパシーを感じます」としんみりと語った。

 8月24日に現役のダンス部員が追悼舞踊を行うことになっており、「大先輩が築いてくれたダンス部の歴史、思いを繋いで、思いっきり踊ってほしい」と後輩たちにエールを送った。

▲田中さんの記事に見入るmanaさん(手前)

新作EP、作詞と歌唱で広がる挑戦

 新作EP『LIFE GOES ON e.p.』は7月30日に発売された。リリスクが新体制になってから3作目となる。EPとしては8曲収録と多めだが、「いい曲がたくさんできたから、みんな入れちゃおうという感じです」と2人。

 ラップは若者の音楽というイメージが強いが、40代や50代の人には懐かしく、10代にとっては新鮮なサウンドとなっているのが今回の特長だ。

 新しい挑戦も多かったという。2曲目の「to be continued」は、初めてメンバーだけで作詞を手掛けた曲。「先にトラックがあり、『これでラップしたい人いる?』とプロデューサーに聞かれて、手を挙げたのが4人でした。この曲をEPに入れてもらえたのはびっくり」とmanaさん。配信などで作詞者欄に自分の名前が載ることに、大きな感慨を抱いたという。

▲新作EP『LIFE GOES ON e.p.』

 一方で、歌唱面でも新しい挑戦があった。minanさんは3曲目「MOVE ON」で「ジャジーに、低く落ち着いた歌い方をしてください」と求められ、あえてテンポをずらす表現に挑んだ。

 manaさんも「7曲目『朝の光』では、メロウにやさしく歌い上げることにチャレンジしました」と振り返る。

 田中さんが築いた道を受け継ぎ、声と音で表現する後輩としての誓い。リリスクの2人にとって、それは新作EPを通しても確かに形になった。前橋から羽ばたいた先輩の存在を胸に、同じ街で育った2人は、これからも音楽でメッセージを届けていく。

▲ヒストリア前橋のシアターで田中さんの声を聞く