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前橋テルサ 存続の可能性
解体、建物利用で公募

2025.07.25

前橋テルサ 存続の可能性
解体、建物利用で公募

 解体方針が決まっていた前橋テルサが取り壊されずに残る可能性が出てきた。所有者である前橋市は12月にも民間活力導入による事業提案型公募を実施、解体して新たな施設を設置する計画に加え、既存建物を利用する計画も含めて受け付ける。テルサの公募は3回目。2026年1月から3月にかけて優先交渉権者を決める。先行して実施したサウンディング型利活用調査で既存建物を活用する提案も寄せられていた。

事前調査で7件アイデア

 前橋テルサの活用で前橋市は3月から4月にかけて、民間事業者からアイデアを募り対話を通じて活用法や市場性を検討する調査を実施、7件の利用案が寄せられた。

 解体した上での提案は①福祉と交流の拠点②ドッグラン&運動の発信地③物販・介護・フィットネスなどの複合施設-の3件。

 既存建物の利用は①企業の本社機能の誘致と幅広い世代が利用できる施設②ホテルを中心としたリノベーション③防災産業の拠点化と防災テーマパークーの3件。

 1件は具体的な事業提案はなかった。

▲3度目の事業提案型公募が行われる前橋テルサ

 調査の結果、解体して新たな施設を設置する場合は解体費、既存建物の利用では設備改修費の負担などがあれば実現の可能性が認められ中心街の活性化につながると判断、新たに公募することを決めた。

 公募の要件をまとめ9月上旬にも公開、12月から1月にかけてエントリーを受け付ける。2度にわたる審査を経て、優先交渉権者を決める。

 公募要件は従来の2回より事業者が応募しやすい弾力的な内容にするとともに、投資目的で所有できないよう長期間の転売禁止を織り込むものとみられる。

具体的なプランに手ごたえ

 3度目の公募について、小川晶市長は「いままでの公募は具体的なプランが上ってこなかった。今回は解体後の活用で新たな視点で考えてくれた事業者もいるし、壊すのであれば残して使いたいと真剣に考え提案してくれた人もいる」と強調、サウンディング型調査の結果に手ごたえを感じていた。

▲公募に期待する小川市長」

 公募で満足できる提案がなかった場合は市が解体する。

2度の公募で決まらず

 前橋テルサをめぐっては、2009年に包括外部監査で存続の必要性に関して指摘を受け、2017年に廃止を決定した。2013年度から2022年度まで指定管理制度を導入して運営。2度にわたり民間への売却や賃貸を公募してきたがいずれも不調に終わり、2023年3月で閉館した。

 市によると、指定管理下の10年間で累積32億円の財政負担があり、閉館後も年間4000万円支出している。再開の場合、施設改修に20億円必要となるほか、管理運営に年間2億5000万円が掛かることから、2024年8月、解体し当面は再開発事業に伴い閉鎖される中央イベント広場の代替広場とすると発表した。