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高校生が詩を朗読 
前橋文学館で「最果タヒ展」開幕

2025.06.07

高校生が詩を朗読 
前橋文学館で「最果タヒ展」開幕

 『恋と誤解された夕焼け』で第32回萩原朔太郎賞を受賞した詩人、最果タヒさんの展覧会「愛を囁くのは世界の方で、私たちはそれを二人で聞いている。ここで、二人で真珠になろう。」が6月7日、前橋文学館で開幕した。9月21日まで。オープニングイベントとして前橋市内の高校生6人と前橋文学館特別館長、萩原朔美さんが最果さんと萩原朔太郎の詩19編を朗読した。
(取材/阿部奈穂子)

初めて出会う世界

 「高校生に好きな作品を選んで読んでほしい」。最果さんのリクエストで行われた朗読会。県立前橋高演劇部の井田雄己さん、小林文明さん、市立前橋高演劇部の北島愛里さん、齋藤月渚さん、共愛学園高放送委員会の備前島夢月さん、黛菜々海さんの6人が参加した。最果さんの詩集から厳選した12編と朔太郎の代表作7編、合計19編を朗読した。

 想いを込めて、時には優しく、時には力強く詩を吟じる高校生たち。「耳にリンリンと鈴の音が響くように涼やか」と共に朗読を行った朔美特別館長。

▲高校生と共に朗読する朔美特別館長

 「最果さんの独特な世界観を自分なりにとらえるのに精一杯だった」(井田さん)、「出会ったことのないタイプの詩だったが、感動をうまく表現できたと思う」(北島さん)、「噛まずに最後まで読めて良かった」(齋藤さん)と、口々に感想を話した。

▲思いを込めて

詩のインスタレーション

 素顔も経歴も出身地も明かさずスマホで詩を書く最果タヒさん。映画や広告、音楽、アートなどさまざまな分野で詩の可能性を開花させてきた。

 前橋文学館で開かれている最果タヒ展「愛を囁くのは世界の方で、私たちはそれを二人で聞いている。ここで、二人で真珠になろう。」では萩原朔太郎賞受賞作や書き下ろしの新作を含む詩のインスタレーションで空間を埋め尽くしている。

 特に、最果さんが実際に使用していたiPhoneの画面に詩が生まれる瞬間が映し出される展示「詩っぴつ中」や、無数の言葉が書かれた詩のモビール、1秒ごとに言葉が変わる詩の時計は印象的。

▲胸に刺さる言葉のモビール

 期間中、前橋・中央通りの小川屋、黒田人形店、鈴木ストアにも最果さんの詩編を展示する。まちなかを散策しながら心に染みる詩と言葉に出会ってみよう。

▲最果さんの詩をデザイナー、佐々木俊さんがグラフィック化した展示

店舗情報

前橋文学館

お問合せはこちら
027-235-8011
住所 前橋市千代田町3-12-10
営業時間 9時~17時
定休日 水曜