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水道資料館が一日限りの劇場に
6月21日に詩のリーディング

2025.05.30

水道資料館が一日限りの劇場に
6月21日に詩のリーディング

 前橋・敷島浄水場にある歴史的建造物「水道資料館」が6月21日、一日限りの「劇場」に変わる。「前橋水道劇場リーディング」と題して、詩の朗読会を開く。「水道は、市民の命をつなぐ。水道劇場は、言葉で市民の心をつないでいきたい。」がテーマ。前橋市内の詩人や役者、小学生が瑞々しい詩を朗読する。
(取材/堀口知子リポーター)

詩人、役者、児童に市長も

 企画を立ち上げたのは前橋文学館特別館長、萩原朔美さん。「100人程度の劇場が前橋には少ない。劇場になるような建物を探していました」と振り返る。そんなとき、雰囲気のあるおしゃれな建物を見つけたという。それが、現在は非公開になっている1929(昭和4)年に建てられた水道資料館だった。

「調べたら水道局の建物。中を見学させてもらったら、今は使われていないと聞き、劇場として貸してもらえないかとお願いしたんです」。そして実現したのが「前橋水道劇場リーディング」。テーマには「水道は命を守る大切なもの。演劇も同じように、心を育む重要な営み」との思いを込めた。

▲企画を立ち上げた萩原朔美さん

 出演するのは地元で詩や演劇に関わるメンバー。前橋市児童文化センター演劇クラブの児童や小川晶市長も舞台に立つ。

 参加団体のひとつである演劇創作ユニット、「百花繚乱」代表の生方保光さんは「悠然とした風格と静かな佇まいが、全てを見届けているようで、劇場そのもの」と水道資料館の印象を語り、「ゆっくりとした雰囲気の中で、力を入れずに耳をそばだてて聴いてほしい。普段は聴くことのない言葉や見慣れない風景を楽しんで」と来場を呼び掛けている。

 演目は2部構成。第1部「沁みることば」は萩原朔美さんが小澤美雪さんと共演するほか、中村ひろみさん、芽部、劇団ザ・マルク・シアターのメンバーが出演する。

 第2部「水と敷島」では水科小百合さん、百花繚乱とともに演劇クラブの子供たちが元気な声を響かせる。

▲「百花繚乱」代表の生方さん

学校も空き家も教会も劇場

 前橋文学館特別館長の朔美さんは来場者にこんな言葉を贈る。

 「『劇場はあるものではなく、なるもの』。これは寺山修司の言葉です。ここを劇場にしたいと思えば、学校も、空き家も、教会も、公園も、劇場になる。演劇はそこで始めれば、そこが劇場になる。それが演劇の面白さであり、可能性。水道劇場がそのきっかけになって、前橋のあちこちに小さなイベントスペースが出現すれば、街のイメージが変わっていく。そうなることを願っています」

▲水道資料館の館内

▲水道資料館の館内

前橋水道劇場リーディング

【日時】2025年6月21日(土)

 第一部(11時~11時30分)

 第二部(14時~14時30分)

【会場】前橋市水道資料館(前橋市敷島町216)

【定員】各回50名(無料・要予約)

【申込・問合せ】☎︎027-235-8011(前橋文学館)