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日本の小学校に世界が注目
映画『小学校~それは小さな社会~』、前橋で上映
2025.04.03

米アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞にノミネートされた『小学校〜それは小さな社会〜』が4月5日から18日まで、前橋シネマハウスで上映される。公開5週⽬にしてミニシアターランキング1位を獲得した話題作。この期間、県内で上映されるのは前橋シネマハウスのみ。ぜひ鑑賞しよう。
協調性の原点は小学校
監督は、イギリス人の父と日本人の母を持つ山崎エマさん。日本の公立小学校を卒業後、インターナショナルスクールからアメリカの大学へ進学し、ニューヨークの会社に就職した。そこで評価されたのは、周囲と協力する、時間を守るなど今まで「当たり前」にやってきたことだった。
その「当たり前」の原点は、日本の小学校教育にあると気づき、公立小学校を150日間4000時間かけて取材。700時間カメラを回し続けた。

1年生と6年生に焦点を絞り、日常の中で仲間を思いやり互いに協力し合ったり、物事をやり遂げる責任感やそれを果たすことで達成感を得たりする姿などをとらえる。
「日本の小学校でよく見かけるシーンなのに、観客の多くが泣いているのにビックリした(笑)」と山崎監督。子どもたちの何気ない仕草や言葉、先生たちの姿が心に沁みる。
世界的に珍しい運動会、委員会活動
フィンランド、欧米、アジアなど世界で上映、配信されている同作品。反響を呼んでいるのは、日本独自の教育だ。
その特徴を、「映画で拓く日本の教育の未来」の広報担当を務め、群馬県内で小学校長を務めた経験を持つ原山浩司さんは「学校を社会の仕組みを学べる場所としている点」と言う。運動会や委員会活動に代表される特別活動を学習指導要領に盛り込んでいるのは世界的に珍しいそうだ。
「連帯責任や同調圧力など日本の教育の課題は多いが、世界に誇れる素晴らしいもの。学校関係者、子ども、保護者、今は学校と接点のない人たちなど、多くの人に鑑賞してほしい」と呼びかけている。

▲「日本独自の教育の素晴らしさがわかる。厳しい時もあるが、子どもたちに優しく寄り添う教師の姿も必見」と広報担当、原山さん
『小学校~それは小さな社会~』
上映日時 4月5日(土)~18日(金)
(4/5~4/11)12:25~14:10、19:10~20:55
(4/12~4/18)14:25~16:10
会場 前橋シネマハウス(前橋市千代田町5-1-16 アーツ前橋3階)
料金 一般¥1,800、大学・専門学校生¥1,200、高校生¥1,000、中学生以下(3歳以上)¥800、シニア(60歳以上)¥1,100
障がい手帳お持ちの方¥1,000(付き添い 1人¥1,000)