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先生が作った本格派金管五重奏
「Gunma Bellus Brass Ensemble」初公演
2024.12.27
前橋市内で活動する「Gunma Bellus Brass Ensemble(群馬ベッルス・ブラス・アンサンブル)」の初公演が、来年1月12日、昌賢学園まえばしホールで開かれる。メンバー全員が音楽大学金管楽器専攻や教育学部音楽専攻出身で、アンサンブルやソロのコンクール入賞者もいるという実力派揃い。6人中4人は市内小中学校現教員と元教員。団体主宰の柏倉宣継さんとコンサートマスターの佐復吉弘さんに、創設の経緯や演奏会への思いなどを聞いた。
(取材/柁原妙子リポーター)
「教える人」がコアメンバー
Bellusはラテン語で「美しい」の形容詞。「ユニークで他の団体にはないし、私たちの目指すところにピッタリの意味」と誇る柏倉さんはトロンボーン奏者。
音楽教員として市内外小中学校10校で教鞭を執り、今年3月末、宮城小で退職した。一方で、60歳になる前に演奏活動の場を作りたいと、思いを同じくする仲間を見つけて同団体を創設した。
ホルン奏者の長谷川稔さんは、柏倉さんの群馬大の後輩で現在、桂萱中の教頭を務める。
たまたま仕事を通じて声を掛けた2人、テューバ奏者の星野勇希さんは群馬大教育学部附属中の教員、2ndトランペットの後閑友美さんは初任が南橘中だった(現在は退職)。
1stトランペットは、煥乎堂音楽教室で講師をしている佐復さん。柏倉さんが小学校のマーチング指導をしていた時に外部講師で招いた縁で、17年ぶりに連絡を取った。
結成日は2022年9月。初めて5人揃って練習した日だ。
五重奏だけでなく、八重奏、十重奏を視野にメンバーを探す中、柏倉さんがある演奏会でトロンボーンを吹く柁原豊さんを見初めて勧誘し、現在の6人になった。
「この団体は『奇跡』と言っていい」と佐復さんは絶賛する。「皆んなが前向きでやりたいことを主張しつつ、相手を引き立て合える。また、全員の楽器経験が豊富で、月1回の練習でなんとかなっているところも凄い」という。
柏倉さんは中学時代、学校の先生たちが組んだアンサンブル『ベルジュラック木管合奏団(1960年代後半群馬大にて結成、現役で活動中)』に憧れた。「自分も金管アンサンブルを作りたい」との思いが源となった。「我々も子供たちの憧憬の対象となれるよう、長く続けていきたい」と話す。
吹奏楽の世界に導いてくれた恩師へ
柏倉さんのトロンボーンとの出会いは、第三中の吹奏楽部。「当時の顧問、宮田玲子先生がこの楽器を勧めてくださり、以来、ブランクもあるが今までずっと続けることができた。演奏会を開くことは、自分にとっては宮田先生はじめ、恩師たちのおかげで吹奏楽人生を歩めたことのお礼の位置付け」と、感謝の胸の内を明かす。
演奏会の構成は1部クラシック、2部は「皆んなで“歌もの”と呼んでいます」と柏倉さんが言うように、エルトン・ジョンの曲や八木節なども用意。プログラム全8曲が親しみやすい曲ばかりで、珍しい編曲や編成を確かな音楽性で楽しむことができる。
Gunma Bellus Brass Ensemble 第1回演奏会
会場 昌賢学園まえばしホール 小ホール(前橋市南町3-62-1)
日時 2025年1月12日(日)18時30開場 19時開演
入場料 無料(全自由席)
曲目 「金管五重奏曲 第3番」「カルメン 第1組曲より(カナディアンブラス版)」「Pop Suite」ほか