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最高賞に松島さん(粕川中)
愛鳥週間用ポスター原画コンクール

2024.12.17

最高賞に松島さん(粕川中)
愛鳥週間用ポスター原画コンクール

 全国の小、中、高校生を対象にした令和7年度愛鳥週間用ポスター原画コンクールで、前橋粕川中学2年の松島遥野(まつしま・はるや)さんが最高賞の日本鳥類保護連盟総裁賞を受賞した。総裁賞の受賞は群馬県で初めて。受賞作品は令和7年度愛鳥週間(5月10日~16日)の啓発用ポスターとして全国に配布される。

田んぼに泳ぐカルガモの親子描く

 松島さんは粕川地区に残る棚田の田んぼに泳ぐカルガモの親子の姿を描いた。主役に焦点を当てるため遠くの背景に空気遠近法を使う高度な技術力とともに、「人間にとっても野鳥にとっても、このような安らげる場所がこの先もあり続けてほしい」と作品に込めた願いが審査員の心を射止め、全国3万3398点(群馬県1944点)の頂点に立った。

▲最高賞に輝いた松島さんの原画

 昨年は県のコンクールで中学生の部では1位となったものの、県代表は小学生の部の1位の作品が選ばれ、「今年が最後のチャンス。県代表は前提で全国1を目指した。画力には自信があったので、メッセージ性を考えた」という松島さん。最高賞受賞の知らせにも「うれしかったが、やっぱりなという感じ」と驚くことなく受け止めたが、「祖父がめちゃくちゃ喜んでくれた」と笑顔を広げる。

夢はバスケット選手

 両親も兄弟も絵画が得意という一家。「自分が1番下手なので、独学で勉強した。同じ動画を100回以上見た」努力の結果でもあった。
 180㌢近い長身で学校ではバスケット部に所属、花形ポジションのシューティングガードとして活躍する。将来の夢は「バスケット選手」ときっぱり話す。

 

松島遥野さんの受賞コメント

 僕の祖父は、僕が小さな頃から米を栽培しており、祖父の田んぼは、僕にとって思い出深い場所となっています。
ある日、その田んぼにカルガモの親子が訪れている姿を見ました。カルガモの親子が仲良く連なって泳いだり、水面をつついたりしている様子に、愛おしさを感じ、目を惹きつけられました。
 また、人間にとっても野鳥にとっても、このような安らげる場所がこの先もあり続けてほしいと感じました。僕が見た風景に僕が感じた感情を込めて、愛鳥ポスターとして描くことにしました。
 僕は、このポスターを制作するにあたって、以下のような点を工夫しました。
 空の微妙な色の変化。遠くの背景には空気遠近法を利用し、手前のものに目がいくようにしました。また、葉やカルガモの羽毛の1本1本の描き込みに神経を使うことはもちろん、水面に反射するカルガモ親子の影や手前の畦は、ピントを少しはずすことにより、主役のカルガモに見る人の視線がいくようにするなど、絵全体として、なるべく妥協をしないように心がけました。

 こうしたことで、画面のなかに、カルガモの親子がうまく調和することができたと思います。