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パリ五輪 金メダルの輝き
桜井、元木選手が前橋市長表敬
2024.08.16
パリ五輪のレスリング女子で初出場ながら金メダルに輝いた前橋市在住の桜井つぐみ選手(57㌔級)と元木咲良選手(62㌔級)=ともに育英大助手=が8月16日、前橋市役所を訪れ、小川晶市長に金メダルを披露した。2人は市民の応援に感謝し、「みなさんのおかげで金メダルを取ることができました」と口をそろえた。表敬訪問後は市役所前に集まった市民にも金メダルを掲げ、喜びを分かち合った。
たくさんの市民の応援に感謝
桜井、元木両選手が庁議室に入ってくると、小川市長は「お帰りなさい」と笑顔で迎えた。
2人は「小さいころからの夢の舞台だった。最高の舞台で最高のメダルを取ることができました」(桜井選手)、「たくさんの人に応援していただき、背中を押され、勇気を持って試合に臨むことができました」(元木選手)と感謝の言葉を述べた。
連日、テレビで応援していた小川市長は「素晴らしい色のメダルを持って前橋に戻ってくれてありがとうございます。2人に前橋に住んでいただき、市民の誇りかなと思います」とねぎらいの言葉を掛けた。
2人を指導する育英大レスリング部の柳川美磨監督にSNSで激励のメッセージを送っていたといい、「2人の後ろには柳川監督はじめ仲間のみなさんがいた。これまでの努力や今回の成果をPRして、レスリングやスポーツを盛り上げてください」と要請。前橋市スポーツ優秀選手として表彰した。
2人の金メダルを手にした小川市長は「思いのほか重いですね」と感激した様子だった。「メダルの重みはあまり感じない。変わらないのが競技者としていいのかな」とポーカーフェイスの元木選手に対し、桜井選手は「夢みたいだったが、みなさんに祝福され実感が湧いてきた」と純粋に笑顔を広げた。
雑談では元木選手の準決勝での大逆転劇にふれ、小川市長が「叫びましたよ、テレビの前で。監督もヒヤヒヤしていたのでは」と振ると、柳川監督は「試合前に本人が『怖かった』と話していた。緊張していた」と裏話を披露した。
桜井選手はレスリング勢の快進撃に「みんないい成績を取って、その流れで自分たちも乗ることができた」と分析した。
ロス五輪「軽く口にできない」
市長表敬後のメディアの取材で、4年後のロス五輪への挑戦について質問されると、「軽く口にすることはできない」(桜井選手)、「パリまでの道のりが大変だったので、まだ覚悟はできていない」(元木選手)と慎重な姿勢を崩さなかった。ともに現役を続けるとともに、後進の指導にもあたる。
桜井選手は父親の優史さんが群馬大レスリング部に所属し前橋市で学生生活を送ったことについて、「繋がりがあって、私がいま、育英大にいるのだと思う。縁があり、群馬は第2の故郷と思っています」と話していた。
桜井つぐみ(さくらい・つぐみ)
2001年9月、高知県生まれ。3歳の時、群馬大で活躍した父親、優史さんが立ち上げた高知クラブでレスリングを始める。世界選手権は2021年から3連覇。得意技は相手の腕をつかむ「腕取り」。組み手争いで優位に立ち、パリ五輪は危なげなく勝ち進んだ。
元木咲良(もとき・さくら)
2002年2月、埼玉県生まれ。3歳からレスリングを始め、カデット、ジュニアと年代別の世界選手権で優勝する。世界選手権は2022年に銅メダル、2023年に銀メダルを獲得。得意技は長い腕を活かして相手を崩す「アレエフ」と低い姿勢からの片足タックル。