watch

見たい

前橋ブックフェス 帰ってくる
あだち充さんと糸井重里さんトーク

2024.06.04

前橋ブックフェス 帰ってくる
あだち充さんと糸井重里さんトーク

「前橋BOOK FES2024」は10月19、20日、前橋市中心街で開かれる。2022年10月以来2年ぶり。フェスの発案者、糸井重里さんが考えた今回のキャッチコピーは「朋あり。遠方より来る。本あり、縁方より来る」。トークショーでは前橋商業高出身の漫画家、あだち充さんと糸井さんが対談する。スペシャルサポーターは前回に続き、みうらじゅんさんが就任。「本のやりとり」をメーンに本に関するさまざまなイベントを展開する。

10月19、20日に2年ぶり開催

「日本中の人が本をもう1回、旅をさせるために、この前橋の街を利用してくれる。前橋の人が本を集め、そこはかとない親切をしてくれることを願っています」。ブックフェスの会場にもなる前橋中央イベント広場で6月4日開かれた開催発表会で、フェスの「言い出しっぺ」であり、エグゼクティブ・プロデューサーの糸井重里さんは会場に集まった人たちにこう呼び掛けた。

▲2年ぶりの開催をうれしそうに報告する糸井さん

2年前の初めてのフェスについて、「『失敗の海に飛び込もう』と言った覚えがある。失敗を前提にやってもいいなと思った。1回やると、痛くないことが分かった」と振り返り、「その日からブックフェスに出す本を集めている。たくさん運びます」と2度目に掛ける変わらぬ熱意を語った。

開催の間隔については、「4年に1度じゃ寂しい。前橋の人は『毎年やってくれ』と言う。間を取って2年にした」と言いながら、「約束はできません。その辺のいい加減さがフェスのいいところ」ととぼけた。

▲発案者の糸井さんと企画者の田中さんのコンビで再び開かれる

「神対応より紙媒体」とみうらさん

発表会には、みうらじゅんさんも登場した。コメントを求められると、「記者の人に使ってもらえるならこれをというのを考えてきました。これからは『神対応より紙媒体』。これをお願いします」と念押しした。

自身がプロデュースした写真集や新刊の『通常は死ぬ前に処分したいと思うであろう100のモノ』を巧みにPRしながら、デジタルにはない紙の本の魅力を語った。

▲COMMの2階から登場したみうらじゅんさん

前橋新聞me bu kuがみうらさんに「前回のフェスの後に上毛新聞に掲載した四コマ漫画を掲載してください」と要望すると、「あれは40年前に糸井さんからのイタズラ電話を鵜呑みにして、『じょうもうくん』というキャラクターを考え出した。本当に掲載されることになり、思いの丈を1コマ1コマにつぎ込んだ。群馬のネタはもうありません」ときっぱり拒否した。

それでも、司会の奈良のりえさんが「何とかもう1度」と重ねてお願いしたところ、糸井さんが「僕からも強く言っておきますよ」と笑わせた。

▲巧みなトークで会場を笑いの渦に巻き込むみうらさん

第1回は全国から4万8000人

ブックフェスは2022年10月、中央通りをメーン会場に中心街で開かれ、全国から4万8000人が来場し2万冊の本がやり取りされた。本好きな著名人のトークショーや朗読会、さらには音楽、アート、食の関連イベントも開かれ、全国の注目を集めた。

今回の実行委員長を務める小川晶市長は「前回はお客さんとして参加し、たくさんの本と人に出会えた。バージョンアップして、前橋の魅力を多くの人に知ってもらいましょう」とフェスへの市民の参加を呼び掛けた。

▲「市民のみなさんで企画を考えましょう」と呼び掛ける小川市長

田中仁エグゼクティブ・ディレクターは「イベントはみんなの支えがないと実現できません。志ある人たちを訪れ、火を点けに回ります」とフェスを運営する資金の協賛を要請。

最後に糸井さんは「ボランティアはいくらいてもいい。たくさん集まってくれることが成功になります」と協力を呼び掛けた。

▲「志ある人」に協賛を求める田中さん

▲記者会見は中央イベント広場で開かれた