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小原玲さんの遺作写真集「エゾモモちゃん」
高校の同級生が前橋市に100冊寄贈

2022.12.05

小原玲さんの遺作写真集「エゾモモちゃん」
高校の同級生が前橋市に100冊寄贈

動物写真家で昨年11月に急逝した小原玲さん(享年60歳)の遺作写真集『森の小さな天使 エゾモモちゃん』が12月5日、前橋市に100冊寄贈された。市立の保育所、小学校、中学校、特別支援学校などに届けられ、子供たちに楽しんでもらう。

「小原の遺志、子供たちに繋いで」

写真集を贈ったのは小原さんの高校時代の同級生でつくる前橋高校54会。アザラシの赤ちゃんをはじめかわいい動物に焦点を当て、地球環境や身近な環境の大切さを訴えてきた小原さんの業績を知ってもらおうと、JR前橋駅北口のアクエル前橋で今春、写真展「小原玲 最後の伝言」を開いた。

クラウドファンディングや同級生の寄付で資金を捻出し剰余金が出たことから、写真集を150冊購入した。市立以外の小、中学校や小原さんの母校である吉岡小、吉岡中などに寄贈する。

▲小原さんの最後の写真集『エゾモモちゃん』

▲木から木へ滑空するエゾモモちゃん

▲巣穴から顔を出すエゾモモちゃん

前橋市役所には54会の川野文行さん、岡野文俊さん、斎藤正寿さんが訪れ、山本龍市長、吉川真由美教育長に手渡した。

山本市長は「高校の1つ後輩が素敵な写真集を残してくれた。彼が生きて、伝えたいことを子供たちに感じてもらえたらうれしい」」と感謝した。

▲写真集を贈呈した前橋高校54会のメンバー

写真集『森の小さな天使 エゾモモちゃん』は小原さんが死の直前まで撮影したエゾモモンガのかわいらしい姿や忍者みたいに木から木へと飛び移るダイナミックな写真が掲載されている。講談社ビーシー/講談社が11月16日に発刊。編集には小原さんの長男、真斗君が協力、妻の小説家、堀田あけみさんがエッセイを綴っている。

写真集はB24 取(150㍉×150㍉)、96㌻、フルカラー。1430 円(消費税込み)。アクエル前橋内のTSUTAYA BOOKSTOREなど前橋市内各書店で扱う。

▲アクエル前橋内には特設コーナーが設けられた

おはら・れい

報道写真家から動物写真家に転身
1961年、東京都生まれ。5歳から渋川市、吉岡町に転居、前橋高時代から本格的に写真を始めた。茨城大人文学部卒。報道写真家として湾岸戦争、ソマリアの内戦を取材、天安門事件の写真は米国の写真雑誌「LIFE」の「The Best of LIFE」に選ばれた。旅先のカナダで出会ったアザラシの赤ちゃんに感動し動物写真家に転身。昨年11月、がんのためエゾモモンガの撮影で訪れた北海道網走市の病院で死去した。