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【前橋元気プロジェクト・名建築物見て歩き】vol.4
群馬会館

2022.12.16

【前橋元気プロジェクト・名建築物見て歩き】vol.4 
群馬会館

優れた建築物は街に風格と活気、潤いを与えてくれる。名建築物が多く残る県都、前橋。前橋国際大、前橋工科大の学生でつくる前橋元気プロジェクトのメンバーが取材した。(取材/前橋工科大 土屋圭輔さん)

鶴舞う群馬を表す群馬会館は昭和庁舎のお兄ちゃんだったりします

外観からも分かる通り、設計者は昭和庁舎と同じ佐藤功一である。外観は庁舎と同じだが、内観には随所で鶴が舞っている。一階の広間では、非常に豪勢な意匠であり、大理石が多く使われている。この広間の天井はアーチ状になっているが、これは鶴が舞っている姿、飛翔している姿を現している。

付柱など細部まで、デザインが入った、とても高揚感を与える空間であるため、訪れた際は見て欲しい。鶴は他の場所にも存在する。扉の取っ手などを見て欲しい。

取っ手の紋様は鶴が飛んでいる姿である。また、内部にあるガラスなども遠目に見ると、ただの白い点が入っているようにしか見えないが、その白い点をよく見ると、それも鶴が飛んでいる姿の紋様である。つる舞う形の群馬県と言われているが、ここまで鶴を使った装飾が至るところにある建築はこの群馬会館だけではないだろうか。

他の場所にも、もしかしたら、鶴を使った装飾が入っているかもしれない。ぜひ自分の目で見つけてみて欲しい。

外観が一階と二、三階でデザインが異なっているが、内観も二階に上がると、壁の色が変わるなど、デザインに変化が出る。興味深いのは柱で、天井の柱周りに掘り込みが入っている。

同じように柱周りの掘り込みは県民会館、県立図書館にも存在する。ホールに入ったときは、天井の白い梁を見ると良い。ホール自体は何度も改装を行っているが、その白い葡萄の装飾が入った梁はかつてと変わらない姿である。建築家のこだわりを持った仕事を感じて欲しい。

問合せ先

群馬会館

お問合せはこちら
027-226-4850
住所 前橋市大手町2-1-1
竣工 1930年
設計 佐藤功一氏
構造 RC造