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小原玲さん最後の写真集
『エゾモモちゃん』16日発売
2022.11.15
動物写真家、小原玲さんの遺作『森のちいさな天使 エゾモモちゃん』が11月16日発売される。小原さんはアザラシの赤ちゃんやシマエナガなどかわいい動物に焦点を当ててきた。末期がんと闘いながらエゾモモンガを撮影するため、昨年秋、北海道に渡ったが、11月17日、撮影の本拠地としていた網走市内の病院で亡くなった。享年60歳。最後の写真集は命日の1日前に世に出ることになった。
死期迫る中、被写体に寄り添う
最後のモデルは小原さんが晩年、最もお気に入りだったエゾモモンガ。くりくりした瞳、小さくて丸い「もふもふ」の体がかわいらしい。写真集では巣穴から顔を出したり、木に登ったりする仕草や果敢に夜空を滑空する凛々しい姿が収められている。
夜行性の動物で撮影が難しい被写体。死期を悟った小原さんは写真家としての集大成となる写真集を出す覚悟でシャッターを切った。
当初は今年3月に出版の予定だったが、小原さんの死により計画は白紙に。それでも、妻で小説家の堀田あけみさんら家族の強い意志が働き、出版にこぎつけた。編集には長男、真斗さんが携わり、堀田さんは小原さんの写真に対する情熱と家族への愛を綴った原稿を寄せている。
かわいい動物で環境問題訴える
小原さんは1961年、東京都生まれ。5歳から渋川市、吉岡町に転居、前橋高時代から本格的に写真を始めた。茨城大人文学部卒。
報道写真家として、湾岸戦争、ソマリアの内戦を取材、天安門事件の写真は米国の写真雑誌「LIFE」の「The Best of LIFE」に選ばれた。旅先のカナダで出会ったアザラシの赤ちゃんに感動し動物写真家に転身。30年間にわたりアザラシを撮り続け、毎年少なくなる流氷の上のアザラシの赤ちゃんの姿を通して、地球温暖化に警鐘を鳴らしてきた。
国内ではホタルやシマエナガを撮影、かけがえのない自然の大切さを訴えてきた。
『森の小さな天使 エゾモモちゃん』(講談社ビーシー/講談社)はB24 取(150㍉×150㍉)、96㌻、フルカラー。1430 円(消費税込み)。アクエル前橋内のTSUTAYA BOOKSTOREなど前橋市内各書店で扱う。
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