study

学びたい

本屋×学び場×アトリエ
前橋市中心街に29日開店

2025.11.28

本屋×学び場×アトリエ
前橋市中心街に29日開店

 書店と小中学生向けの学習支援塾、アクセサリー工房を兼ね備えた複合施設「hengeni(ヘンゲニ)」が11月29日、前橋市中心街に誕生する。子供も大人も「変幻自在」に生きられるようにと願い、本が大好きで教員資格を持つ20代の夫婦が夢の舞台に立つ。

20代、大学の同期夫婦が経営

 ヘンゲニを開くのは群馬大教育学部の同期で準硬式野球部の選手だった金山慎太郎さん(25)とマネージャーをしていた杏菜さん(26)。

 大学卒業後、慎太郎さんは小、中学校で教壇に立ち、杏菜さんは雑貨店、カフェ、塾で働きながら彫金デザイナーをしてきた。

 教育現場や職場で、現代に生きる人間の生きづらさを感じた2人は原因である固定化した価値観をほぐす機会を提供しようと、子供も大人も集まれる場としてヘンゲニを作った。

▲立川町通りと裏弁天通りの角にある

 場所は立川町通りと裏弁天通りの十字路。築60年以上の2階建てのビルを借り、仲間に手伝ってもらいながらリノベーションした。

 通りから見える開放的な1階が本屋「HENGENI BOOKS」とアトリエ「hengeni handmade jewelry」、静かな2階が学び場「テラコヤヘンゲニ」となる。

▲憧れの本屋の店主になった慎太郎さん

▲ご当地本もそろえている

 本屋は慎太郎さんが店主を務める。「小中学生、高校生に教科書の一歩先にある、読んでもらいたい本から本を読む『体力』のある大人が楽しめる本まで集める」と幅広い構成とする。読書会や哲学対話といったイベントも定期的に開いていく。

▲学び場のスペース

▲レトロな机と椅子も落ち着く

 学び場は小中学生を対象とした令和版の「寺子屋」。2人が講師を務め個別指導する。「確実に学力向上を目指す。その上で、無理やりさせられるのではなく、自分から勉強するように導きたい」と慎太郎さん。定額通い放題制を採用、週末は自習室として開放する。

▲彫金に集中する杏菜さん

 アトリエは大学時代から彫金を始めた杏菜さんの創作拠点となる。「ジュエリーを身に着けることでいろいろな自分を表現できる。変幻自在です」と杏菜さん。銀で指輪、ネックレスや本に使うしおりも作る。創作現場を見て楽しんでもらうとともに、オーダーメイドを含めて製品を販売する。

ゆったり空間でくつろぐ

 2人が気に入っているのは古い建物からにじみ出る温もり。まだ仏壇もあった空き家を一目見て、「ここだ」と同時に感じた。学び場には休憩スペースもあり、勉強に疲れたら寝転んだり、「学級文庫」のように置く書棚から好きな本を読んでくつろいでもらう。

▲畳の部屋で大の字になって

 1月からはカフェを始め、将来的には通信制高校のサポート施設や大人のための学び講座を開講する。

 中心街で開業したのは「車で行く郊外の店と違い、ふらりと立ち寄る人がいるから」と口をそろえる2人。偶然性が思わぬ縁を結び、変幻自在の可能性を生むことを願っている。

店舗情報

hengeni「本屋×学び場×アトリエ」

お問合せはこちら
070-3278-1987
住所 前橋市千代田町3-5-11
営業時間 本屋・アトリエ(12時~17時)、学び場(17時30分~21時)
定休日 本屋・アトリエ(月曜、火曜)、学び場(土曜、日曜)