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「めぶく。」前橋を未来にも
コンパクトなまちづくり考える

2024.10.10

「めぶく。」前橋を未来にも
コンパクトなまちづくり考える

 人口減少社会の中で持続可能な都市構造の実現を目指す「コンパクトなまちづくりを考えるシンポジウム」が10月10日、前橋・中央公民館で開かれた。小川晶市長とまちづくりにかかわる専門家や学生が前橋の強みや弱みを指摘し、次世代にも暮らしやすいまちづくりのために持論を発表した。

前橋の「強み」「弱み」は

 明治大政治経済学部教授の野澤千絵さんが基調講演した。人口減少や高齢化が進む日本の地方都市で市街化調整区域の規制緩和によって起きているスプロール現象によるさまざまな弊害を説明、次世代型路面電車(LRT)を活用している宇都宮市の事例を挙げながら、コンパクトでネットワークを重視した都市政策への転換を求めた。

▲前橋のまちなかのリノベーションを評価する野澤さん

 トークセッションは野澤さんがコーディネーターを務め、4人のパネラーがまちづくりへの思いを語った。

▲トークセッションで紹介される原さん

 小川市長は合併して前橋市となった郊外の人口減少を「弱み」とする一方、高い自治会加入率を例に「人の力が残っているのが地域のあり方を考えてくれる強みになる」と強調した。

▲「市民と課題を共有したい」と訴える小川市長

 授業でまちづくりを学習している群馬高専の原華恋さんは「中心街が駅から遠く、遊びに行く時は高崎に行ってしまう」と本音で語った。

 すると、小川市長は「歩いて10分くらいなのに?みなさん遠いと思いますか」と来場者に質問した。多くの人が手を挙げると、「ライフスタイルを変えられるとうれしい」と過度の車依存からの脱却を期待した。

▲まちなかに若者の居場所を求める原さん

 長岡技術科学大准教授の松川寿也さんは居住地が拡散しつつ高齢化が進んでいる現状を「メタボのまま高齢化している状態」と形容、行政や民間のサービスが非効率になると警鐘を鳴らした。

▲松川さんは自ら調査したデータを駆使して解説した

 まちなかで13年にわたり活動している、まちの開発舎代表の橋本薫さんは「前橋には世界に誇れるビジョンがあります」と訴えた。2016年に制定した「めぶく。」のもとで、まちなかが大きく変わってきた実例を示し、「前橋を愛する人がたくさんいることが強み」と明るい未来を展望した。

▲「前橋愛が強い人が多い」と分析する橋本さん

 シンポジウムは前橋市が主催、群馬県都市計画協会が共催した。