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前橋と山東省の交流を
前橋ゆかりの中国の俳優、三浦研一さんら共愛学園を訪問

2024.07.08

前橋と山東省の交流を
前橋ゆかりの中国の俳優、三浦研一さんら共愛学園を訪問

前橋や群馬と山東省の生徒を結ぶプロジェクトを発進させたい。前橋で小中学校時代を過ごし、現在は中国で俳優として活躍する三浦研一さんら3人が5日、共愛学園を訪れ、校長、飽田哲也さんと会談した。
(取材/阿部奈穂子)

前橋で異文化共生の空間づくりを

訪れたのは三浦さんのほか、山東省にある聊城大学教授で児童文学家、閻先会さん、日中文化交流センター業務副会長、張中原さん。

提案したプロジェクトの目的は、山東省から前橋への高校留学を実現させること。「大学進学で、日本を選ぶ中国の学生は多い。しかしできるならば、考え方が柔軟な高校時代から日本に留学し異文化を体験することで、マナーや生活習慣を身に着け、真の意味で日本や世界に貢献していく人材を育てていきたい」と三浦さん。

閻さんは2021年から試験的に、山口県の下関国際高校へ中国人留学生を入学させている。「これまでに7人、一芸に秀でた中3の生徒を選抜してきた。9カ月間の日本語学習プログラムを受けた後、日本の高校1年として留学します。彼らにとっても日本の学生にとっても良い刺激になっています」

日本のほかの地域でも中国からの高校留学の道を広げたいと考え、友人の三浦さんに相談したところ、前橋の共愛学園が浮上してきた。

 

▲共愛を視察する閻さん(写真左)と三浦さん

1997年に留学生として中国にわたり、2000年から俳優活動をはじめ、いまやドラマや映画で大活躍の三浦さん。父親の仕事の関係で小学校高学年から中学3年までを前橋で過ごしている。

「自分の育った前橋や群馬に、感謝の意味を込めて、これまで26年間、中国で培った人脈を通して街おこしに貢献していきたい」という思いを抱いていた。そんなとき、閻さんの話を聞き、「長期的な日本の将来を見据えた異文化共生の空間づくりを前橋で展開していけたら」と考え、自由で独創的な教育を行っている共愛学園を訪問することになった。

 

▲「東京から遠からず、近からず、前橋の環境は中国人留学生にちょうどいい。家賃や物価の安さも魅力」と話す三浦さん

共愛学園の飽田校長との会談では、高校留学生の受け入れだけでなく、「互いに盛んなサッカーの交流、聊城大学と前橋国際大学との交流も進めていきたい」と閻さん。

飽田校長は高校留学生の受け入れに関しては、「日本語と日本関連の教科の勉強についていけるかが懸念点」としながらも、「下関国際高校の事例を見てみたい」と前向きな回答をした。

閻さんは山東省を知ってもらいたいと、世界に100個しかない、泰山の岱廟に描かれた壁画の巻子本を贈呈した。

▲飽田校長(写真左)と閻さん