study
学びたい
眠っている本を旅させよう
前橋市中心街に「毎日BOOK FES」
2024.06.15
誰でもいつでも無料で本を借りたり、誰かに読んでもらいたい本を寄付したりできる「ブックのボックス」が前橋市中心街の中央通りに出現した。小さな図書館のようであり、10月に2年ぶりに開かれる「前橋BOOK FES(ブックフェス)」のメーンイベントである「本のやりとり」の常設版。勉強机のようなボックスは24時間、本好きが来るのを待っている。
24時間、本のやりとり
ブックのボックスが置かれているのは中央イベント広場の向かいにある複合施設「comm(コム)」の前。コムを運営する前橋まちなかエージェンシー(MMA)が運営している。
仕組みは簡単。本を借りるときにボックスに備え付けのノートに借りた本の数を記入するだけ。返却期間は決めていない。どんな本を借りたのか、なぜその本を選んだのか、一言書いていく人が多い。逆に、寄付する人は、本との思い出や本を読んでもらいたい理由を書き添えている。
ボックスは中央イベント広場で開かれたブックフェスの開催発表会に合わせて、6月4日に設置した。MMAが当初、30冊を用意した蔵書は寄付の輪が広がり100冊近くに増加。小説あり、建築やデザインに関する専門書ありと多彩な分野の本が集まった。
「本のまち前橋」を盛り上げよう
ボックスの意味について、MMAの代表理事を務める橋本薫さんは「ブックフェスと同じ。家で眠っている本に旅をさせるため」と語る。
ブックフェスは全国的な話題を集めて大盛況となったが、「『本のまち前橋』の盛り上がりを一過性に終わらせないよう、『毎日ブックフェス』ができるようにした」と説明。アーケードがあり雨が降っても本が濡れない中央通りや弁天通りにボックスを増やしていく構想を広げている。
ボックスは廃棄される予定だった木製のリンゴ箱を生産者からもらい受け、MMAのメンバーで組み立てた。椅子もあり、座って読みながら借りていく本を選ぶことができる。
ノートにはたくさんの人が思いを綴っている。「素晴らしいBOX見つけました」「今度、本持ってきます」。本が好きな見知らぬ人同士の交換日誌のようになっている。