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前橋でイノベーション会議
過去も未来も 人間の本性直撃

2023.08.29

前橋でイノベーション会議
過去も未来も 人間の本性直撃

「産学官金共創ぐんま未来イノベーション会議2023」が8月29日、前橋商工会議所で開かれた。一橋ビジネススクール特任教授、楠木建さんが「イノベーションの本質」と題して特別講演し、「イノベーションは人間の本性を直撃する。未来志向を捨て、昔も欲しがっていたものを考えよう」と呼び掛けた。講演や分科会、ビジネス交流会、企業や研究機関が研究成果を発表する展示会など多彩なイベントが行われた。

なぜいままでなかったんだろう

楠木さんは進化とイノベーションの違いについて、「進化はできるかできないかの勝負」、イノベーションは「思いつくかつかないかの勝負」と説明。進化の事例として、「五穀米」のヒット後に「二十穀米」まで登場したことを示し、「ターゲット顧客は小鳥かと思った」と笑わせた。

イノベーションの事例として、糸井重里さんが付けた西武のコピー「おいしい生活。」やソニーのウオークマンを挙げ、「新しい生活の楽しみ方を提案している」と進化との違いを分かりやすく解説した。

▲イノベーションの本質を解説する楠木さん

最後に、「なぜこれがいままでなかったんだろう」というドラッカーのイノベーションに対する最大の賛辞を紹介し、社会にインパクトをもたらし、人々の生活を変えるようなイノベーションほど、「言われてみれば当たり前」という面があるとした。

特別講演に続いて、経済産業省経済産業人材課長、島津裕紀さん、文部科学省高等教育局専門教育課長、梅原弘史さんが講演した。

▲分科会「医療とDX」

▲分科会「ヘルスケアとまちづくり」

▲分科会「リトリートと観光」

▲分科会「スタートアップとイノベーション」

分科会は「医療とDX」など4つのテーマでパネルディスカッションを行った。

ぐんま未来イノベーション会議は2005年に始めた「群馬産学官連携推進会議」が母体。金融機関が加わるとともに、イノベーションの必要性を重視し、昨年から現在の名称に再編成した。

▲デジタル教育機器が並んだ展示ブース