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【めぶく。学び舎】
昌賢学園 鈴木利定理事長に聞く
学生との距離が日本一近い学校

2023.06.09

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【めぶく。学び舎】
昌賢学園 鈴木利定理事長に聞く
学生との距離が日本一近い学校

ルーツは室町時代まで遡る。漢学学問所に始まり、儒教に重きを置いた教育姿勢はいまも変わらない。自ら教壇に立ち、全学生に論語や儒教をもとに講義をする鈴木利定理事長。ボランティア活動やレクリエーション活動で学生と一緒になり、「理事長と学生の距離が日本で一番近い学校」と自負する。

先代の夢 平成にかなえる

―女子の高等教育機関を戦後、開校しましたが、閉校を余儀なくされました。平成の世になり、再興を遂げます。

先代の父、鈴木泰三は夕食の前に必ず家族に向かって訓話し、自分ができなかった高校再興の夢を毎回のように熱く語っていました。

自分はその気はなく、大学を出た後、名古屋市の高校で古典の教員をしていました。でも、何年かするうち、理想の教育を実践できる学校を作るのは素晴らしいことだと思うようになり、二松学舎大学大学院に5年間通い、博士課程まで修了しました。

―鈴蘭幼稚園の園長をしながら、開設の準備にあたるわけですね。

1000坪ほどの広い敷地に鶏やウサギを放ち、子供たちと一緒になって遊び、学んだのですが、これが学園のトップとしての原点となりました。

—高校を再興させる予定が、社会福祉系の専門学校を皮切りに、より高度な教育機関を創設することとなりました。

少子高齢化社会を見据えた結果です。社会福祉の基礎構造改革を進める中で、国が少子高齢化に対応できる人材を育成する施設づくりを奨励したのです。

これはチャンスであり、宿命かなと思った。

高校に固執していては開校も難しかっただろうし、うまく開校できても続けられたかどうか。

時代の要請である介護福祉士の育成を進めるべきだと判断したのです。結果的にも正解でした。

—7年後に短大、さらに6年後の2002年、ついに4年生の群馬社会福祉大学が開学します。

短大は前橋市からの要望を受けてのことです。女子教育に力を入れてきた歴史があり、当時、女子には短大が人気だったので。

専門学校の開校から駆け足で来て、短大ができたとき、父の夢をかなえることができたと実感しうれしかった。むろん、私の夢でもありましたので。

4年制の開学も時代の要望からです。よりアカデミックに学びたい学生の期待に応えました。同時に、児童福祉専攻を新設、少子高齢化社会の中、介護と福祉を一体的に学べる態勢を整えました。保育園でショートステイを受け入れる施設が増え、両方の知識、技術を持った人材が求められていたのです。

—藤岡市に大学の看護学部、前橋市の中心街に同じく大学のリハビリテーション学部を設置します。

地域貢献の意味合いが強いでしょうか。「藤岡は病院があっても看護師がたりない」、「前橋の中心街に若者が少ない」といった要望があり、それに応えるべく適切な学部を配置しました。

▲全学生を相手にマナーを指導する鈴木理事長

就職率100% 教員や公務員も

—3拠点で何人の学生が学んでいますか?

1500人ほどです。群馬県内が6割、近県を中心とした他県が4割。男女比は7対3で女子が多いですね。

就職率は100%です。休み時間にも勉強をしている真面目な学生もいる。少し心配なくらい素直で世間ずれしていない子が多いですね。

—理事長自ら講壇に立ち、講義を開いているとか。

開学以来、各学部ごとに全学生を集め、論語や儒教をもとに日常生活におけるマナーを指導しています。

球技大会などのイベントで学生と一緒に騒ぐのも好きで 、学校のトップである理事長と学生の距離が日本で一番近い学校だと自負しています。

—学生にはボラティアも奨励しています。

ボランティア活動は必修科目です。学生といえども一市民。地域のお役に立つことをするのは当然です。毎週土曜日を「ボランティアの日」としています。私も学生と一緒に赤城ヒルクライムの運営に携わったりしています。

—効果はありますか。

学生に自主性が備わってきました。

特別支援学校の生徒がホノルルマラソンに向けた練習で伴走を務めた学生数人が本番にも参加しました。自ら渡航費を捻出して。これがきっかけで教員になったり、群馬県の専門職として児童相談所で働くといった事例も出ています。社会に出ることで多くのことを学んでいます。

▲ボランティアや前橋祭りだんべえ踊りは職員とも一緒に励む

儒教に基づいた人格教育

学園の起源は室町時代までさかのぼる。後年、上杉謙信を輩出する一族である長尾景仲(号は昌賢)が1449(宝徳元)年、上州白井(渋川市)に築いた漢学学問所に始まり、一貫して儒教に重きを置いた教育に力を入れてきた。

大正時代に県内唯一の私立旧制中学校として昌賢中学校は青年教育を支えてきた。戦後は前橋女子商業高校、前橋栄養高校を創立、新しい時代を担う女性を輩出した。

鈴蘭幼稚園を残して閉校を余儀なくされたが、平成の世になり、現理事長により復興を遂げた。

「遠祖の学統を継承して克く時代に適応せる新教育に渾和し…」との先代、鈴木泰三の遺志を継いだ現在17代の鈴木利定理事長の先見の明によるものだ。超高齢化社会の到来を見越し、医療・福祉の高等教育機関を次々に開設し、現場に貴重な人材を輩出している。

「仁」を建学の精神と定め、「知行合一」の修得、功業を教育理念としている。

「高度な知識、技術の指導とともに、人格教育に重きを置いている」と強調する鈴木理事長は週に4回、全学部ごとに全学年を集め講義を開き、論語や儒教をもとに日常生活におけるマナーを指導している。

▲1866(慶応2)年に設立された昌賢学堂=1942(昭和17)年3月撮影

▲自ら教壇に立つ鈴木利定理事長

昌賢学園

江戸期に建てた昌賢学堂を1919(大正8)年、昌賢中学校と改め、鈴蘭幼稚園の元となる鈴蘭少女学園を設立する。1989(平成元)年の群馬社会福祉専門学校を皮切りに群馬医療福祉大・大学院、短大、専門学校を開校する。

昌賢学園・歴史

1449(宝徳元)年
学問所を開設。長尾昌賢。長尾昌賢は本学園の祖にして現理事長・学長の遠祖。
1811(文化8)年
正誼堂を開き、校舎を建つ。山崎闇齋の垂加流の国学(正直の二字を主張)を継承。
1866(慶応元)年
昌賢学堂を設立。
1919(大正8)年
昌賢学堂を昌賢中学(旧制)と改める。鈴蘭少女学園を設立。
1946(昭和21)年
前橋女子商業高等学校を設立。
1948(昭和23)年
前橋栄養高等学校を設立。鈴蘭少女学園を鈴蘭幼稚園と改称。
1951(昭和26)年
財団法人昌賢学園を学校法人昌賢学園に組織変更、認可を受ける。
1960(昭和35)年
前橋市元総社に新園舎を落成し移転。
1989(平成元)年
群馬社会福祉専門学校(介護福祉学科)を前橋市元総社町に開校。
1991(平成3)年
群馬社会福祉専門学校(社会福祉学科)設置。
1996(平成8)年
群馬社会福祉専門学校(福祉保育学科)設置。群馬社会福祉短期大学 社会福祉学科(介護福祉専攻・社会福祉専攻)を前橋市川曲町に開校。
1998(平成10)年
群馬社会福祉専門学校(介護福祉専攻科)を開設。
1999(平成11)年
群馬社会福祉短期大学に陽明学研究所を開設。
2000(平成12)年
福祉研究センターを開設。
2002(平成14)年
群馬社会福祉大学 社会福祉学部 社会福祉学科(社会福祉専攻・児童福祉専攻)を開学。群馬社会福祉短期大学(介護福祉専攻)を群馬社会福祉大学短期大学部 介護福祉学科と改称。
ボランティアセンター開設。
2003(平成15)年
群馬社会福祉専門学校 社会福祉士通信課程設置。鈴蘭幼稚園の名称を、群馬社会福祉大学附属鈴蘭幼稚園と改称。
2005(平成17)年
昌賢アリーナを新築。並びに留学センター開設。
2007(平成19)年
群馬社会福祉大学大学院 社会福祉学研究科(社会福祉経営専攻)設置。群馬社会福祉大学大学院 福祉経営研究所開設。
2008(平成20)年
群馬社会福祉大学附属 医療福祉専門学校を開校。
2010(平成22)年
群馬社会福祉大学大学院を群馬医療福祉大学大学院に名称変更。群馬社会福祉大学を群馬医療福祉大学に名称変更。
群馬社会福祉大学短期大学部を群馬医療福祉大学短期大学部に名称変更。群馬医療福祉大学 看護学部設置。群馬社会福祉大学附属鈴蘭幼稚園を群馬医療福祉大学附属鈴蘭幼稚園に名称変更。群馬社会福祉大学附属医療福祉専門学校を群馬医療福祉大学附属リハビリ専門学校に名称変更。
2012(平成24)年
群馬医療福祉大学 リハビリテーション学部設置。
2015(平成27)年
群馬医療福祉大学附属リハビリ専門学校閉校。
2017(平成29)年
群馬社会福祉専門学校 精神保健福祉士短期養成通信課程設置。群馬医療福祉大学附属鈴蘭幼稚園を群馬医療福祉大学附属認定こども園鈴蘭幼稚園に名称変更。

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