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吉増剛造の世界にようこそ
前橋文学館 6月10日から企画展

2023.06.09

吉増剛造の世界にようこそ
前橋文学館 6月10日から企画展

現代詩壇の先鋭的な詩人であり、映像や写真、オブジェでも活躍する吉増剛造氏(84)の企画展が6月10日から、前橋文学館で開かれる。吉増氏の詩集など100点を展示する。9月10日まで。初日は13時30分から、吉増氏がアクリル板に文字を書くパフォーマンスを披露。関連イベントとして、前橋シネマハウスで14時45分から吉増氏のドキュメンタリー映画『眩暈(めまい)VERTIGO』を上映、終了後に吉増氏、映画の監督、井上春生氏、前橋文学館長、萩原朔美氏によるアフタートークを開く。

萩原館長と映像で往復書簡

吉増氏は6月8日から前橋文学館で開催準備にあたっている。「朔太郎さんと前橋に敬意を捧げて」と題して、朔太郎の『亀』を4階の小部屋の窓ガラスに金墨汁とポスカを使って表現している。

▲楽しみながら窓ガラスに朔太郎の詩を書く吉増氏

企画展では松浦寿輝氏ら4人の詩人、評論家が選んだ吉増氏の詩に吉増氏が返礼の形で言葉を添えた作品や全国の文学館長からの手紙を紹介する。

▲吉増氏が書いた個性的で読みやすい文字

▲全国各地の文学館長からお礼の手紙が届いている

長年にわたって親交のある萩原氏と往復書簡の形式で映像作品を制作する。萩原氏からまず、利根川の河川敷で撮った石の映像が送られ、石狩川の河川敷の映像を送り返したという。

企画展の開催について、「朔太郎賞を長年続けてきたお役目のご褒美として萩原さんや職員のみなさんが工夫を凝らしてくれている。映像作品は3カ月あるのでどんな作品になるか楽しみだな」と話している。

▲萩原館長とは映像を送り合い、作品にする

萩原朔太郎賞選考委員を18年

よします・ごうぞう 1939年、東京都生まれ。慶応大文学部卒。1999年から2022年まで通算18年にわたって萩原朔太郎賞選考委員を務める。1964年に第一詩集『出発』を刊行。2008年、『表紙omote-gami』で第50回毎日芸術賞を受賞。文化功労者。

「フットノート—吉増剛造による吉増剛造による吉増剛造」

・会場 前橋文学館(前橋市千代田町3-12-10)

・会期 6月10日(土)~9月10日(日)

・時間 9時~17時

・休館 水曜

・観覧 一般500円(高校生以下、障害手帳持参者と介助者1人は無料)

・問い合わせ 027-235-8011