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おからでレジ袋兼ごみ袋
前橋市で全国初の製造、販売

2025.04.11

おからでレジ袋兼ごみ袋
前橋市で全国初の製造、販売

 豆腐の製造工程で発生し産業廃棄物として処理されるおからから生まれた袋をレジ袋兼ごみ袋として活用する実証実験が始まった。前橋市内の2企業が共同開発した袋を前橋市指定ごみ袋として、前橋市内のスーパーとホームセンターで販売する。おからを原料とする袋の製造、販売は全国初。地球環境に優しい地域循環プロジェクトと位置付け普及させるとともに、前橋モデルを全国に発信する。

相模屋食料が素材を開発

 豆腐製造最大手の相模屋食料(前橋市鳥取町)がおからを51%混入して開発したプラスチック素材「TOFURESIN(トウフレジン)」を配合して、井上ビニール(前橋市三俣町)が前橋市の規格に合う指定ごみ袋(20㍑)を製造した。

▲おからから生まれたごみ袋

 販売は前橋市と包括連携協定を結んでいるベイシアとカインズの前橋小島田店。袋はレジ袋にも使え、両店で1万枚販売する。価格は1枚7円で、通常の同じサイズのごみ袋(10円)より低く設定している。
 1万枚の袋には12㌔㌘のおからが再利用されている。前橋市の試算によると、通常のレジ袋が1万枚削減されることになれば温室効果ガスを330㌔㌘削減される効果が見込まれる。

ベイシア小島田店、カインズ小島田店で扱っている

 相模屋食料の鳥越淳司社長は4月11日、前橋市定例記者会見で会見し、「前橋は全国一の豆腐の生産地であり、全国一のおからの生産地。産業廃棄物をバイオマス素材に活用する取り組みは意義がある」と説明するとともに、前橋市と民間企業4社の「チーム前橋」で実現した成果を強調した。

▲レジ袋兼ごみ袋を製造、販売する「チーム前橋」

ベイシア、カインズで販売

 ベイシア、カインズ両社は実証実験が成功すれば、市内の他の店舗でも取り扱う方針を示した。
 前橋市の小川晶市長は「ごみとして捨てられていたレジ袋を市指定ごみ袋として使用することで、プラスチックごみの削減を図るとともに、市と民間事業者が連携して行う実証実験して、地域内の資源循環の取り組みにもつながる」と期待した。

▲民間事業者との連携に期待する小川市長

鉢植え、ベンチも商品化

 豆腐の製造過程では大量におからが発生、一部は食用や飼料、ネコの砂に転用されるが、3分の1は産業廃棄物として処理されている。
 相模屋食料は6年がかりでおからを活用したトーフレジンの開発に成功、特許を取得した。これをもとに、2023年に植木鉢の「おからポット」を製造したのを皮切りに、おからベンチやごみ袋を商品化している。

▲鉢植え用のおからポット

▲おからベンチは前橋市児童文化センターにある

 鳥越社長は文房具やシートの商品化を進めていることを明らかにし、「最終的には豆腐のパックを作りたい」との夢を語った。

 おからポットの記事はこちらから。

 ごみ袋とおからベンチの記事はこちらから。