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おしゃれ湯あみ着いかが
前橋国際大の学生が開発
2024.08.23
湯あみ着をもっとおしゃれに使いやすく―。共愛学園前橋国際大の学生でつくる仮想企業「燈(とぼし)」は乳がんで乳房を切除した人が安心して温泉や入浴施設を楽しめる湯あみ着「ゆがすみ」を開発した。単に手術痕を「隠すため」ではなく、ファッション性や機能性を高めることで「魅せたくなる」仕様にした。9月13日まで販売型クラウドファンディングを展開しており、最終日は県庁でPRイベントを開く。
乳がん経験者の助言で改良
仮想企業・燈は2023年5月、前橋国際大情報・経営コースの授業で発足した。学生5人が群馬県の「サウナ・スパ関連商品等開発支援事業」に参加して湯あみ着の開発に着手。縫製、加工、デザインの専門家、乳がん経験者で湯あみ着の普及活動をしている藤井佳津枝さんの協力、助言を得て商品化に成功した。
現在主流の湯あみ着は着用していることを目立たなくするため肌色に近く、胸部のみを隠すタイプで使い捨て。藤井さんによると、「隠していることが分かり、かえって恥ずかしくなる」代物だった。
燈が開発したのは丈の短いワンピースタイプ。デザイン的には藤井さんから高評価を得た。
ただ、機能面はいくつか問題点があった。実際に着て入浴してもらった結果、「体を洗いにくい」「濡れると透けてしまう」「体のラインが分かり、べたっとして気持ち悪い」といった指摘を受けた。このため、前後左右にスリットを4カ所入れて洗いやすくし、繊維の素材、色や構造も大幅に改善。藤井さんのお墨付きをもらい完成にいたった。
量産化が望めず、手作業が多いため販売価格は2万7000円と高めの設定。それでも、洗濯して繰り返し使えるため、使い捨てタイプが1000円~2000円することを考えれば需要は見込めると判断した。
燈は社長を務める飯塚俊太朗さん、岩下友希さん、村川プリンセス皐(メイ)ベリオさんの2年生が昨年から活動、井野由梨さんと久保孔生さんの1年生が新たに加わった。アイデア、渉外、パソコンスキルといったそれぞれの得意分野を活かして協働している。
デザインにこだわった理由について、飯塚さんは「『「誰もが平等に温泉に入れるように』という想いから開発した。マイナスをゼロにする考えではなく、おしゃれさを重視し着たくなるようなものにした」と説明する。
岩下さんは「湯あみ着が着用できない施設もある。すべての温泉、入浴施設で当たり前のように着用できるよう理解を求めていきたい」と訴えている。
9月13日までクラウドファンディング
クラウドファンディングは8月1日から開始、すでに目標金額の10万円を突破している。リターンは湯がすみが半額の1万3500円になるスペシャルコースをはじめ、活動を純粋に支援する1000円などがある。
9月13日は県庁32階の官民共創スペース「NETSUGEN」で商品のアピールとともにクラウドファンディングの最後のお願いにあたる。
クラウドファンディングはこちらから。