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前橋産の紙うつわ
「六花亭」「やまや」、全国各地で大活躍
2023.11.11
陶器のようななめらかな質感でプラスチックのように扱いやすいが、原材料は紙。「くらまえ」(前橋市六供町)の「紙うつわ」が話題を集めている。北は北海道の製菓店「六花亭」、南は福岡のめんたいこ店「やまや」など全国の名店で使用されている。人気の秘密はどこにあるのか? くらまえ代表の大原 康弘 さんに話を聞いた。(取材/阿部奈穂子)
150度、ワンプレスで成型
繭の形の紙うつわに入った、やまやの「できたてめんたい」。容器のかわいらしさが人気を呼び、お土産に買い求める人が多いという。「今年7月から取り引きをはじめ、40万セットを出荷しました」と大原さん。
同じ金型で作った紙うつわが、北海道の六花亭では福豆、千葉県のPAPABUBBLEでは落花生のお菓子「ピーナッツタフィー」、新潟県の大和屋では「雪だるま」というお菓子のパッケージとして使われている。
確かに、福豆も落花生も雪だるまも繭の形をしている。
SDGsの観点からいま、紙のパッケージが見直されている。くらまえは、世界でも珍しい紙容器成型機を駆使し、150度以上の温度をかけ、1枚の紙をワンプレスで成型する。
「紙は印刷も自由にできる。4色フルカラーでさまざまなデザインが可能。そんなところも人気の秘密では」と大原さんは分析する。
県庁32階のイノベーション自販機で販売中
大原さんは30年前から機械金属加工の「蔵前産業」(前橋市上大島町)で紙容器の金型づくりを担当していた。2009年に紙容器成型機を導入したことをきっかけに、紙容器の製造、販売を開始した。
「はじめはシワだらけで製品にならなかった。ある紙を投入してプレスしたところ、奇跡的にほとんどシワの目立たない容器ができあがりました」。2015年に特許を取得した。
「より多くのお客様のさまざまな要望に応えたい」と2022年に独立し、紙うつわの「くらまえ」を創業した。
現在、繭型、長方形、正方形、ドーム型など約10種類の金型で容器を作っている。
群馬県庁32階に設置されているイノベーション自販機では、ぐんまちゃん繭玉容器(カフェチョコ50㌘入り)を700円で販売中。「ぐんまちゃんの作者、中嶋史子さんに、この形状で一番かわいく見えるよう、ぐんまちゃんをデザインしてほしいと、ミリ単位で注文を出した」という。
チョコを食べたあとは、小物やメガネケースとしても使える。興味がある人は買い求めてはいかがだろう。