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話題の黒いチーズケーキ「呂色」 
10月13日にいよいよ開店

2023.09.13

話題の黒いチーズケーキ「呂色」 
10月13日にいよいよ開店

黒いチーズケーキで話題を集めている前橋・馬場川通りの「呂色」が10月13日(金)から本格営業する。若きオーナー、大野絢子さんがニューヨークで出会った濃厚なチーズケーキを作ろうと、AIと文献を駆使して完成させた漆黒のカマンベールチーズケーキ。クラウドファンディングの返礼品作りや告知のためのイベントを行い、準備してきた。前橋のまちなかは8月以降、深夜まで営業するアイスの店やカレー専門店が相次いで出店。美食で「めぶく。」動きが加速している。(取材/阿部奈穂子)

3種のフレーバーを展開

呂色の黒いチーズケーキは、ベースに白カビ系の濃厚なカマンベールチーズを使用。アロマ(香り)にもこだわり、3種類のフレーバーで展開する。竹炭パウダーを表面に吹きかけ、漆黒のケーキにした。

甘さはひかえめで、スイーツと食事の間のケーキといったイメージ。直径約7㌢で、価格は1個3000円。

クラウドファンディングで話題を集め、購入を希望する人が多かったが、本格開店の準備のため、これまで一般販売ができなかった。

店舗は馬場川通りの筒井ビル2階にある。10月13日から店舗で販売開始する。営業は金、土、日曜の17時~22時。

ネット販売(https://roiro-roiro.com/)は10月2日からスタート。毎週月曜の10時~。

 

▲スタイリッシュな形のチーズケーキ

▲店舗に立つ大野さん

アイス、カレー、続々と新店

中央通りには8月、26種のアイスと様々なトッピングを揃えた「今夜もアイス」が開店した。26時まで営業し、深夜に行列ができると注目されている。

9月11日には中央通りで初のカレー専門店「月の鐘」がお目見えした。いずれも行列が絶えないイタリア料理の「グラッサ」、ふわふわ和菓子の「なか又」、ぜいたく海鮮丼の「つじ半」に並ぶ一角にあり、既存の飲食店との相乗効果も期待されている。

「呂色」オーナー、大野さんが語る
黒いチーズケーキへの想い

ーなぜチーズケーキに特化したのか?

幼少期から好きで、誕生日はいつも茶色の丸いチーズケーキ。「ほかのケーキは華やかで可愛いのになぜチーズケーキは美味しいのに可愛くないの?」という疑問を、子どものころからずっと持っていました。

ー黒いチーズケーキの構想を始めたのはいつから?

2年前です。地元名古屋の友達で、パティシエの市原綾乃さんとメニュー開発しました。イメージはニューヨークに住んでいた時、イタリア街のカフェで食べたチーズの味が濃いケーキ。日本に戻ってからあの味に出会っていないので、自分で作ろうと。

見た目も主役級のカッコいいスタイルにしたかった。もう一つこだわったのはアロマ。人が風味を感じるのに8割は鼻孔から、2割は舌からという事実を知り、舌以上に鼻が重要なんだと。

ーチーズケーキの構造は?

ムース、チーズケーキ、クッキーの三層構造になっています。

チーズケーキのベースはカマンベールチーズを使っています。一般的にはクリームチーズやマスカルポーネチーズを使うケースが多い。でもカマンベールチーズにした理由は、旨味とコクが深いので新しい味を提供できると思ったから。

何社も食べ比べ、北海道の会社と契約し、白くて丸い個体のままのカマンベールチーズを仕入れています。それを手作業で湯せんにかけて溶かし、濾す作業をします。ペースト状で売られているカマンベールもありますが、個体の方が旨味や香りが強い。手間ひまは惜しみません。

ー開発で一番苦労した点は?

スタンダードなチーズケーキのほか、お茶ラインとお酒ラインの商品を作りました。

カマンベールチーズに合うお茶やお酒をムースや果実漬けなどにして、ケーキの中間層に挟み込むというスタイルです。その合わせる食材を見つけ出すのが難しかった。AIと文献をもとに、アロマ分析をして「この食材は合う」と出ても、実際に食べてみると「えっ違う」と感じることも度々。何百種類も作り、食べ比べ、納得のいく商品にたどり着きました。

お茶ラインはカマンベールチーズケーキに桂花烏龍茶ムースと塩麴とりんごのコンフィチュールを合わせました。お酒ラインはアルマニャック漬けプルーンを挟み込んでいます。

ーなぜ黒い見た目にしたのか?

神秘的な夜をイメージしました。忙しい日常から離れて、オフになるタイミングに、呂色のケーキが華を添えられたらいいなと考えました。竹炭のパウダーを使い、強くて美しい黒色をケーキにまとわせました。

前橋に店を開けて良かった

ー前橋・馬場川通りに店舗兼工房を構えています。なぜ馬場川通りに?

散歩中、馬場川通りの筒井ビルに大家さんの手書きの看板がかかっていたのです。「2階空いています。借り手募集。変わった人に入ってほしい」。ちょうど店舗を探していたときだったので、急いで大家さんの元に行き、チーズケーキの店を出したいという旨を伝え、「私、変わってますか?」と聞いたらOK。初めから馬場川通りを狙っていたというわけではないのですが、いま思うと絶好のロケーションだと思います。

ー前橋はご主人の転勤で来られたとか。最初のイメージは?

生まれは名古屋で、大学からずっと東京。ニューヨークに住んでいたこともあります。都会暮らしに慣れていたせいか、最初、「前橋」と聞いたときは正直、あまりうれしいとは思いませんでした。でも高校時代、アイスホッケーの交換留学生として米・デトロイト市で暮らしていたことを思い出したんです。当時は荒れていた街が、数年前、訪れたらキレイでカッコいい街になっていました。現地のホストマザーに聞いたら、「この一帯の土地を一人の人が買ったのよ」と。夢があるなあと。再開発が進む前橋と重ねてしまいました。

ーそれから3年。いまは前橋についてどう思いますか?

呂色を始めてから、街の人のコミュニティーの温かさを知りました。新しい人に対して懐の深い、寛容な街だと思います。何かしようとすると誰かがすぐに協力の手を差し伸べてくれるのもうれしい。

若い人が新しいチャレンジをするのに、土地や家賃が安いのも本当にありがたいポイントです。東京にいたらできなかったと思います。

 

▲臨江閣のイベントで

店舗情報

呂色

住所 前橋市本町2丁目1−3 筒井ビル 2階 東棟
営業時間 金・土・日曜 12時~20時
定休日 月~木曜
ホームページ https://roiro-roiro.com/
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