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買いたい
まちなかに出現
姿そのまんまの「昆虫食自販機」
2023.04.20
大きなカニの看板でお馴染みの「北海亭」前橋本店(千代田町5丁目)の駐車場に3月31日、突如出現した昆虫食自販機。タランチュラ、ムカデ、蚕、サソリ、セミなどがそのまんまの形で食用に加工されている。自販機を運営するのは、高崎市の「アイステージ」(桐林冬樹代表)。なぜ昆虫食なの?売れ行きは? 桐林さんに話を聞いた。
40種類をタイから仕入れる
自販機には29種類の昆虫食が並んでいる。「1番人気は『色々ミックス』。1パックの中に5種類の昆虫が入っているお試しサイズのもの。1000円と安いので気軽に購入できるのでは」と桐林さん。
ちなみに、2番人気はサソリ、3番人気はシルクワーム(蚕の幼虫)という。
昆虫食はタイから直接仕入れている。「40種類くらい仕入れて、売り切れたら違う種類のものに変える。いまは試行錯誤の段階です」
近い将来、世界的な食料不足が訪れると懸念されている。特に問題なのはタンパク質の供給。家畜を育てるよりも資源の消費や環境への負荷が少ないことで注目されているのが昆虫食だ。
パックを開けると乾燥加工された昆虫がそのまんまの形で出てくる。罰ゲーム用に買い求める人もいるが、桐林さんの目的は違う。「姿のまま提供することで、こんな虫も食べられるんだ。もっと虫のことを知ろうと思ってほしい」
気になる味だが、エビやカニに似ているらしい。「シャリシャリしてスナック感覚で食べられます。コオロギは干しエビの味にそっくり。セミは大地の味がします」
勧められるままにタランチュラを食べてみた(足だけ)。確かにカニだ。
ガチャやクレーンゲームのおまけにも
昆虫食自販機事業を始めたのは今年1月。第1号は高崎中央銀座商店街内の天華堂書店前に設置した。
「想像以上に売れ行きが良かったため」、3月に北海亭前橋本店駐車場と高崎のゲオ飯塚店駐車場に第2号、第3号を置いた。
昆虫食1パックの重量は15㌘前後。「ある程度の重さがないと、自販機で下に落ちないので」、鉄の重りと共にカプセルに入れて販売している。重りとカプセルは隣りにあるカゴに返してもらい再利用する。
今後はガチャやクレーンゲームの景品などにも昆虫食を使っていきたいという。「虫は嫌い、食べるのは無理という人は多い。食わず嫌いではなく、栄養価が高い良質なたんぱく質として親しんでほしい」と話す。