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遊びたい
10羽のフクロウに癒される
街中に「メゾン・ド・梟」誕生
2022.05.25
前橋の中心街に建つビルの3階。10羽のフクロウと過ごす癒しのスポット「メゾン・ド・梟(ふくろう)」が生まれた。フクロウカフェとは異なり、飲食やフクロウを触るのはNG。「フクロウと呼吸を合わせ、穏やかな心を取り戻す場です」とオーナーの松本良美さんと娘さんでアーティストのジージョさんは声を合わせる。「メゾン・ド・梟」の誕生ストーリーを聞いた。
(取材/阿部奈穂子)
HPから入場券を購入
扉を開けると、洞窟をイメージした約20畳の空間が広がる。ここで10羽のフクロウが生活している。穴にもぐったり、宙を舞ったり、キャビネットの上にたたずんだり、人間がいても我関せずという感じだ。
「メゾン・ド・梟」は昼13時~14時、夜18時~19時の各1時間、穏やかなときの流れを楽しんでもらう場所。入場は予約制で、HPから入場券(1時間3000円)を購入する。ドリンクとクッキーは付くが、それ以外の飲食は用意されていない。
東京のフクロウカフェ閉店。路頭に迷った30羽
なぜ、こんな不思議なスポットが生まれたのか。松本さんの職業は手相カウンセラー。「お客様の一人にフクロウカフェのオーナーがいました。コロナ禍のため、銀座、池袋、吉祥寺の店舗を閉店することになり、30羽のフクロウをどうしたらいいだろう、と相談を持ちかけられたのがきっかけ」と話す。
自らもアフリカ大コノハズクの「小麦ちゃん」を飼っていた松本さん。フクロウへの愛着は人一倍大きかった。「人間の手で育てられたフクロウは野生に帰れない。最後まで人間の手で育てなければ」、30羽を引き受けることを決意した。
娘のジージョさんやたくさんの仲間の力を借りて、2020年10月、前橋に連れてきた。「市長さんの粋なはからいで、特別住民票を出していただいた。氏名欄に『ふくろう一家』と書かれていたので、大好きな赤城山の名を冠して、彼らを『赤城ふくろう一家』と呼ぶことにしました」と笑う。
フクロウと人間が共存できるスタイルを求めて
しかし、ボランティアで30羽の世話は続かない。エサ代が10万円以上かかった月もある。
仲間たちの尽力で、草津熱帯圏や信頼できる引き取り先へ嫁ぎ、残ったのは10羽。「お金のために、販売したり、ペットカフェを作ろうという気持ちにはなれなかった。フクロウと私たちが気持ちよく共存できるスタイルを探し続けてたどり着いたのが、メゾン・ド・梟でした」
自宅の一角を手作りでリノベーションし、フクロウも人間も居心地のいいスペースを作った。壁をいくつも取り払い、開放的な自然の中を再現。「ここに住むようになり、フクロウの様子が明らかに変わった。性格が穏やかになり、羽のツヤも良くなりました」と松本さん。
フクロウは夜行性。昼はおとなしいけれど、夜は元気に活動する。その違いを見るのも楽しいという。かつてはカフェで飼われていたため、人に危害を与えることは決してない。
「一羽一羽、目の色も毛の色も形も違う。じっくり観察してみてください。美しさに魅了されますよ」とジージョさん。
心が疲れたとき、リフレッシュしたいとき、フクロウに癒されにいってはいかがだろう。
店舗情報
メゾン・ド・梟
住所 | 前橋市千代田町4-2-8 Rビル3階 |
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営業時間 | 13時~14時、18時~19時 ※入場料は1時間3000円 |
ホームページ | https://maisonde296.base.shop/ |