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前橋BOOK FES 満員御礼
前橋だからできた。次回はもっと

2022.10.30

前橋BOOK FES 満員御礼  
前橋だからできた。次回はもっと

「前橋BOOK FES」は10月30日、最終日を迎えた。中央通りを一大古本街とした「本のやり取り」は2日目となって受け渡す側、受け取る側とも慣れた様子。トークショーはFESのスペシャルサポーター、みうらじゅんさんと糸井重里さんをはじめ3組が「本と言葉」をテーマに軽快かつ熱く語り合った。エンディングイベントでエグゼクティブ・プロデューサーの糸井さんは「感無量です。前橋でなければできなかった」と目頭を熱くして感謝の言葉を発した。

ゆるキャラ3体が応援

みうらさんが糸井さんを「心の上司」と尊敬し、長く親交のある2人は息の合ったトークで会場を爆笑の渦に包み込んだ。

みうらさんの家に40年ほど前、「上毛新聞ですが、『上毛くん』というタイトルで4コマ漫画を毎日連載してください」となまりのある口調で留守番電話に吹き込まれたことがあり、「毎日だからギャラがいいかな」と喜んでいたら、糸井さんから電話がかかり「上毛新聞から電話があっただろう。あれ、おれなんだ」といたずら電話されたことを暴露した。

糸井さんが「上毛新聞に『BOOK FES2日間ありがとうございます』の広告を出すから。そこに『上毛くん』の漫画描いたら」と提案すると、みうらさんは「描かせていただきます」と大乗り気。

みうらさんが「ゆるキャラ」の名付け親ということで、ぐんまちゃん、ころとん、「ほぼ日」の銀の宇宙鳥シジュちゃんが応援に駆け付けた。

▲警察の職務質問で職業を聞かれると「イラストレーターなど」と答え、「など」にこだわる、みうらさん

トークショーはこのほか、慶応大教授でデータサイエンスを専門とする宮田裕章さんと建築家で白井屋ホテルを設計した藤本壮介さん、アイドルから書店主になった夢眠ねむさんと糸井重里さんが出演した。

▲写真左から藤本さん、前橋市出身で来場者の小屋かをりさん、前橋市への移住を宣言した石坂仁さん、宮田さん

▲本屋さんが少なくなり、自ら店を出した夢眠さん

草薙素子がやってきた

本のやり取りは即興で朗読をしたり、ポップを貼り出すなど各出展者が工夫を凝らし、集客に努めた。塩野七生さんの『ローマ人の物語』全43シリーズを出展した岡野文俊さんは「2人がすべて読むことを約束してくれた。自分は卒業したが、引き継いでくれる人が現われてうれしい」と喜んでいた。

中央イベント広場では音楽ライブが開かれ、地元を拠点に活躍するミュージシャンが出演した。

▲愛書を受け渡す岡野さん

前橋市出身の声優、田中敦子さんとアナウンサー、奈良のりえさんのトークも行われた。小学高学年から明智小五郎シリーズを読破した読書家で、FESの「あの人の本」コーナーにも愛書を寄贈している。

好きな本や趣味の話で盛り上げ、最後に27年間演じ続けている人気アニメ「攻殻機動隊」の主人公、草薙素子の声で「BOOK FESを通じて地元前橋がまた昔のような復興を果たすのよ。そうささやくのよ、あたしのゴーストが」と決め台詞を披露した。

▲山本文緒さんの『自転しながら公転する』が最高傑作と話す田中さん

「前橋に甘えた」と感謝する糸井さん

エンディングイベントでは17時過ぎから開かれ、FESの発案者である糸井さんが挨拶した。2日間を振り返り、「こんなに振り絞ったのは人生で初めて。感無量です。前橋でなければできなかった。故郷の前橋という地と人にうんと甘えた」と感激した様子。最後に「次回はもっといいFESにしましょう。前橋の人、頑張ってください」と激励して閉幕を告げた。

 

▲BOOK FESが盛況に終わり、感激のあいさつをする糸井さん