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「マツモトの3㌢」とは
川北主将が語る完全試合

2026.03.21

「マツモトの3㌢」とは
川北主将が語る完全試合

 群馬県立前橋中・高等学校応援団OB会の総会と講演会、懇親会が3月21日、アクエル前橋で開かれた。半世紀前に甲子園史上初の完全試合を達成した野球部の主将を務めた川北茂樹さんが講演、「マツモトの3㌢」と呼ばれる快挙達成の裏話を披露した。

前橋高応援団が総会、後援会

 「マエタカ歴史の1ページ…昭和高校球児物語」と題した講演で、川北さんは2024年3月に出版した自著『昭和高校球児物語-前高完全試合のキセキ-』をもとに、3年間の青春時代を振り返った。

 1978(昭和53)年3月のセンバツ甲子園で、滋賀県代表の比叡山高校を相手に完全試合を達成した瞬間を映像で振り返ったあと、入学してから最後の夏の県大会で敗退するまでを時系列に紹介した。

▲完全試合を達成した直後の松本投手

▲アルプススタンドで声を張り上げる応援団

 松本稔投手は春先から調子が上がらなかったが、試合の3日前の練習中、ふと腕の振りを3㌢下げたところ、強く回転のいい球を投げられるようになった。

 三塁手として出場した川北さんは「松本投手は試合の初球、ドロンとしたカーブでストライクを取るのがパターンだったが、このときはアウトコースにストレートを決め、『松本、すげえ調子いいじゃん』と思った」と1球で好投を確信したと話した。

▲完全試合の軌跡を振り返る川北さん

 何度も決勝で敗れた桐生高校の木暮洋投手、阿久沢毅選手とのエピソード、高校入学時に怖かった応援団の先輩の話も盛り込み、昭和の高校球児の古き良き思い出を懐かしそうに語った。

 最後に、比叡山高校が翌年の夏の甲子園に出場、前橋工業高校に快勝した試合にふれ、「勝利監督インタビューでアナウンサーに『同じ前橋勢に完勝し、昨年の雪辱を果たせたと言ってよいのではないですか』と聞かれた監督が声を押し殺して泣いた。川北もまた泣いた」と証言。「野球は残酷であるけれども、素晴らしくもある。野球というスポーツをくれた天に、ただ感謝しかできない」と締めくくった。

新OB会長に岩田さん

 総会では2026年度事業計画、予算案を承認したほか、役員改選があり、会長の中嶋秀幸さんが相談役となり、新会長には川北さんと同期の昭和54年卒の岩田徳之さんが就任した。

▲新会長の岩田さん(左から2人目)と高校の同期

昭和高校球児物語-前高完全試合のキセキ-

 前橋新聞「me bu ku」Web版で2023年2月から6月まで、77回にわたって掲載したものを加筆修正して2024年3月に発行した。A5判、317㌻。2200円(消費税込み)。
 TSUTAYA BOOKSTOREアクエル前橋、煥乎堂、本屋 水紋、ヘンゲニ、創業カフェ・ムーちゃん、カフェ・ド・プリモで販売。朝日印刷工業のWeb書店「ぐんまの本棚」からも購入できる。