interview
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小川晶氏、立候補を正式表明
前橋市長選、三つ巴の構図か
2025.12.17
前橋市長選(1月5日告示、12日投開票)をめぐり、前市長、小川晶氏(42)は12月17日、記者会見を開き、「私の人生を掛けて次の市長選に再びチェレンジすることを決意しました」と正式に立候補を表明した。争点については「出直し選挙となり、自分自身に対する判断を仰ぐ選挙」と明確に位置付けた。去就が注目されていた県議の宮﨑岳志氏(55)=日本維新の会=はこの日、立候補を見送ると発表。市長選はすでに立候補を表明している2新人を含めた三つ巴の構図が固まった。
争点は「自分に対する判断」
小川氏は前回(2024年2月)と同様、無所属で立候補する。小川氏を前回推薦した連合群馬は今回、自主投票とする方針を固めており、政党、団体に支援を求めず、支援する市民と連携して選挙戦を展開する。
争点を自身への評価とした出直し選挙で再選した場合、懸念されている群馬県や市議会、経済界との信頼関係が再構築できるとして、事実上の「禊(みそぎ)」となるとの見方を示した。
記者会見に臨んだ小川氏は冒頭、11月27日に辞職して以来、市民と対話を重ねてきた中で、子供・子育て、農業、福祉を中心に評価される声を受けたことを明らかにし、「前橋に新しい流れを作ってきたにもかかわらず、私がよい雰囲気を壊してしまった」と反省の弁を述べた。
責任の取り方について、「政治家である以上、もう一度ここから立ち上がってやり残した公約を実現するしかない」と立候補を決意したと説明した。
1年9カ月間の自身の実績にふれ、子供・子育てなどの重点施策をはじめ、「市役所の雰囲気が明るくなり、職員の対応がよくなった」「公共交通の充実、郊外の地域のまちづくりにも力を入れてきた」と訴え、「古い政治に戻さないためにも、みなさんとともに前橋をさらに前へ進めたい」と強調した。
公約に関しては前回の公約として掲げ「道半ば」という重点項目の推進に加え、喫緊の課題として物価高対策と財政の建て直しを挙げた。
▲正式に立候補を表明した小川氏=2025年12月17日
小川市長が辞職する原因になったラブホテルに10回以上通い、停職6カ月の懲戒処分を受けた既婚の男性職員(12月31日付で依願退職)に関して質問されると、「重い処分だなと思った」「今後の生活は大丈夫かな」と心配しながら、立候補は「職員への対応とは切り離して考えた」と説明。自身の政治家、行政トップとしての責任は市長職を辞職したことで「両方の責任を取った」との見方を示した。
小川氏のスキャンダルを受けて、前橋市のブランドイメージが低下したり、市民の分断を招いたのではないかとの質問にはいずれも否定的な姿勢を崩さなかった。イメージダウンについては「客観的な捉え方。移住したいランキングは上がった」と指摘した。
辞職前に申し出た市長報酬の50%減額について、再選後の対応を問われると、「現時点では未定」と回答。退職金を受け取るかには明確に答えなかった。
▲会見の冒頭、深々と頭を下げる小川氏
前橋市長選にはこれまで、いずれも無所属新人で自民党系2会派が支援する弁護士の丸山彬氏(39)、共産党推薦の元市議、店橋世津子氏(64)が立候補を表明している。告示までに無所属新人の立候補も想定されるが、基本的には小川、丸山、店橋の3氏による争いとなりそうだ。


