interview
聞きたい
【県民会館アンケート結果まとまる】
「残して」「判断が早すぎる」6割超え
1337件の声が示す民意
2025.08.01
群馬県民会館の廃止・解体をめぐり、51.5㌫が「できれば残して使ってほしかった」と回答した。県の「新しい文化拠点整備」に対しても半数が「今ある建物を活かす方法があったのでは」と疑問を呈している。前橋新聞mebukuが7月に実施した緊急アンケートには、1337件もの声が寄せられた。
新築よりも、いまある建物を生かして
前橋新聞mebukuは、群馬県民会館の廃止・解体決定を受け、2025年7月9日から31日にかけて緊急アンケートを実施した。廃止の是非や代替施設への期待、利用経験や思い出まで、数多くの県民の率直な声が寄せられた。
廃止・解体をどう思うかという問いに対し、「できれば残して使ってほしかった」が51.5㌫で最多。「解体はやむを得ないと思う」が34.1㌫、「判断が早すぎたと思う」が11.7㌫と続いた。廃止・解体に対して疑問を示す声が6割を超えている。
廃止・解体後、「新しい文化拠点を建てる」という県の方針に対しても、「今ある建物を活かす方法もあったのでは」が49.9㌫に上り、「必要な整備だと思う」は19.2㌫にとどまった。「まだ詳しい情報が足りない」との声も25.5㌫に達し、県の説明不足を指摘する声も少なくない。
利用者の半数が「よく使っていた」 若い世代からも声
県民会館の利用状況については、「よく利用していた(出演・観覧など)」が50㌫と半数を占めた。「数回行ったことがある」が44.5㌫、「行ったことはない」は5.5㌫にとどまり、多くの回答者が実際にこの施設を体験していたことがわかる。
回答者の年代は、10代から40代が48.8㌫を占め、50代以上は51.2㌫。若い世代からも広く意見が寄せられた。性別は男性58.3㌫、女性41.7㌫。居住地は前橋市内が58.3㌫、前橋以外の群馬県内が33.7㌫と、県内在住者が大多数を占めた。
自由記述には「部活で初めて立った舞台がここだった」「文化をつなぐ場を壊さないで」「価値ある建物を後世に」など、深い記憶とともに惜別の声が数多く並んだ。
県は県民会館の建物について、解体を基本方針としているが、具体的な時期は明らかにしていない。新文化拠点に関しても、2026年度中の基本構想策定を予定する段階にとどまり、整備開始時期は未定。県民の記憶と願いに、どう応えていくのかが問われている。


