interview
聞きたい
【聞きたい FLYING KIDS ▶前編】
35周年記念アルバム『希望のシッポ』発売
還暦とともに祝う“ご褒美”のコラボ
2025.07.24
メジャーデビュー35周年を迎えたFLYING KIDSが、オリジナルアルバム『希望のシッポ』を6月にリリースした。祝祭感あふれる今作には、スガ シカオ、トータス松本、PES(RIP SLYME)という豪華アーティストが参加。ボーカルの浜崎貴司さんはこの日、還暦の誕生日も迎えた。バンドのリーダーでベースを担当する前橋市出身の伏島和雄さんとともに、節目の作品に込めた思いや35年の歩みについて話を聞いた。
(取材/阿部奈穂子)
初めての「あうん」の呼吸で
――6月11日、35周年記念アルバム『希望のシッポ』発売日は浜崎さんの60歳の誕生日。還暦を迎えた気持ちはいかがですか?
浜崎 なかなかいいもんです。6月14、15日に「浜崎貴司 還暦GACHIスペシャル60祭」をEX THEATER ROPPONGIでやったんです。2日間で20人以上のアーティストがゲストに来てくれて、大変だったけど夢のようでした。フェスみたいだったし、60だからこそのご褒美でしたね。
――『希望のシッポ』も、まさにご褒美的な作品ですね。聴きどころは?
浜崎 トータスもスガさんもPESも、記念のタイミングだから「祭りやろうよ」って集まってくれた感じ。アルバムには3人とのコラボ曲に加えて、2021年から配信してきたシングル5曲、書き下ろし2曲も入って全部で10曲。それぞれが独立してて強い。全部が聴きどころだと思います。
伏島 今までと違ってスムーズに仕上がった。浜ちゃんがデモを送ってきて、メンバーが面白がったり、アレンジも「いいじゃん」って。その流れで自然と完成に向かいました。FLYING KIDSを35年やってきて、初めて“あうんの呼吸”ができた感じ。ど真ん中をやるのか、少し外すのか、全員で共有できていました。
――以前は喧々諤々だった?
伏島 デビューして数年間はやっぱり試行錯誤が多かった。それも必要だったんですけどね。でも今回は、全員がバンドの“人格”を理解していた気がする。だから迷わなかったですね。
敬愛する仲間とのやり取りが生んだ音
――コラボ曲について、印象的なエピソードはありますか。トータス松本さんは?
浜崎 トータスとは「カーリングシトーンズ」っていうグループ一緒に組んでてわりとよく会ってるんです。「これで行きたいんだけど」ってデモテープ送ったら、すぐに「テンポを落として、キーを下げて」と2ポイントだけメッセージが来た。「えー」と思ったんですけどそのジャッジがめちゃくちゃ正しいことが後々わかりました。
――PESさんはいかがでしょう?
浜崎 一緒に食事をしたとき、「共作しよう」と言ってくれて。ちょうど僕は「ハナフブキ」という曲をつくっていて、彼から出た「宴もたけなわ」というアイデアと融合したら面白いかも、と直感したんです。その場で彼に曲を聴いてもらったら、「ちょっと待ってください」と言って、30分ほどで歌詞やメロディーのアイデアを出してくれた。精度が高いなって思いましたね。
――アルバムのタイトル曲になった「希望のシッポ」はスガさんとの共演。迫力ありました。
浜崎 スガさんは、僕らがイカ天(イカすバンド天国)に出てた頃、原宿のライブハウス「クロコダイル」のお客さんだったんです。それが36年後にコラボすることになるなんて…。緊張しちゃうから、本当はやりたくなかった(笑)。でも、そういうときのほうが良い曲になる。人間ってやっぱりいつまでも苦労しないとダメなんだなと改めて思いました。
■「希望のシッポ feat.スガ シカオ」MV YouTube はこちらから。
FLYING KIDS 35周年記念アルバム『希望のシッポ』
2025年6月11日リリース、3,740円 (税込)
REFLEX ACTION
希望のシッポ feat. スガ シカオ
ガッチャンコ!
パンとバラ
ウブゴエ・デスフィーレ
BUZZER BEATER feat. トータス松本
じゃーね
DONʼT TOUCH ME BUT CATCH ME
ステッパーズ
ハナフブキ〜宴もたけなわ〜 feat. PES (RIP SLYME)
全10曲収録
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FLYING KIDS(フライングキッズ)
1988年結成。現在9人組ファンクバンド。
1989年、TBSの人気番組「平成名物TV・三宅裕司のいかすバンド天国」に出演。3代目イカ天キングとして5週連続勝ち抜きを達成、初代グランドキングとなる。1990年、シングル「幸せであるように」でメジャーデビュー。
その後、スマッシュヒットを連発。19枚のシングルと11枚のアルバムをリリースし、1998年に解散。
2007年に再結成。精力的にフェスへの出演やLive、及び音源の発表を続ける。
2017年から現行の9人編成となり、新たなグルーヴを打ち出す。
【聞きたい FLYING KIDS ▶後編】100歳までやる だからみんなついてきて
FLYING KIDSの原点は、1988年に前橋で開催されたエフエム群馬の音楽コンテスト「ROCKERS’88」。そこ…


