interview
聞きたい
【聞きたい 成田達輝さん▶1】
バイオリンの音色で前橋PR
2025.05.12
中学、高校時代を過ごした前橋市を大事な故郷と言い切るバイオリニストの成田さん。「まえばしPR大使」に就任、故郷を盛り上げるために、ある作戦を練っている。
「前橋かるた」の普及に尽力
――まえばしPR大使になりました。就任会見では『八木節』を披露していただきましたね。
箱田中の音楽の先生が授業の前にサクソフォンを演奏したのを思い出してやってみました。
思い入れのある故郷に恩返しをしたいと思います。話をいただいた時はとても光栄でした。どんなことをするのかは聞いていなかったのですが、単純に前橋にコミットできると思って。
――どんなかかわり方をしていくのでしょう。
自分の活動をXで投稿するたびに、(小川晶)市長が「いいね!」を押してくれます(笑)。
PR大使になりましたので、もっと緊密なコミュニケーションを図りながら、自分が前橋でやりたいこと、自分でしかできないこと、市民が望むことをしていきたいと考えています。
何をやってもいいようですが、私は音楽、芸術全般で前橋をアピールしていきます。
▲PR大使でコンビを組む飯塚花笑さん
――具体的な構想はありますか?
実は一つ進んでいるプロジェクトがあります。
同じくPR大使になった映画監督の飯塚花笑さんと一緒になって、「前橋かるた」の普及に取り組みます。「上毛かるた」のように有名ではありませんが、せっかくのご当地かるたに光を当てたい。
かるたに出てくる市内の名所を回って、そこで私が演奏し、飯塚さんが撮影します。市民のみなさんにも参加してもらい、映像と音楽でかるたを表現できたらいいなと願っています。
――完成が楽しみですね。成田さんの「前橋愛」はどこから生まれたのでしょう。
中学、高校時代の6年間を過ごした前橋は1人の人間として精神的な自立をしようとした大切な時期であり、その時に出会った前橋の方とのふれあいは特別なものでした。
一言で言えば人情あふれる方々。人を思いやる文化が根付いているまちだと思います。
▲故郷を大事にする成田さん(©Marco Borggreve)
――何か思い出に残っている場面はありますか。
中学時代、技術の授業の最後にバイオリンを演奏したことがありました。工作室でジャージ姿でバッハを弾いたのはいい思い出でしたね。
3年の担任の先生は学生コンクールで優勝したことを報告したら飛び上がって喜んでくれました。
国語の先生はいまも私の「追っかけ」をしてくれ、前橋の話をしてくれます。
馬場川通り、登利平の弁当
――前橋でお気に入りの場所はありますか。
最近ですと、白井屋ホテルやアーツ前橋のある馬場川通りが好きですね。美しく整備され、市民の憩いの場であり、対外的にもアピールできます。
食べ物では「たむらや」の漬物が好物です。登利平の弁当を食べると、「前橋に帰ってきた」と実感します。
成田達輝(なりた・たつき)1992年、青森県生まれ。3歳からバイオリンを始め、箱田中時代に全日本学生音楽コンクール中学校の部で全国第1位。パリ国立高等音楽院在学中の2012年、エリザベート王妃国際音楽コンクールで第2位となり注目を集めた。


