interview
聞きたい
田中敦子さん 声は永遠に
「前橋が、前橋の民が好きじゃ」
2024.08.21
8月20日に急逝した前橋市出身の声優、田中敦子さんがナレーションを務めているアクエル前橋内の歴史エンターテインメント施設「ヒストリア前橋」に21日、熱心なファンが訪れ、テーマシアターに登場する田中さんが扮する猫のおしゃべりに耳を澄ませていた。
ヒストリア前橋のテーマシアター
テーマシアターは江戸時代以降、400年の間に前橋が直面した4つの危機を民の力で乗り越えてきた歴史をアニメーション映像で紹介するメーンコーナー。
田中さんは「前橋に400年棲んでいる千秋の猫」として出演している。歴史の語り部として、前橋空襲などで壊滅的な危機を迎えながら、民力でたくましく復活してきた様子を紹介。結びに、「余は前橋が、前橋の民が好きじゃ。100年後はどんな前橋になっているか楽しみだ」と語っている。
アニメには田中さんの息子の光さんも参加、親子で出演している。
スタッフによると、訃報を知った高校生や社会人が午前中から続々と訪れた。田中さんの声をじっと聴き、涙ぐむ女子高生もいたという。
田中さんの後輩にあたる前橋女子高の2人は「尊敬し憧れの先輩でした。突然のことで現実として受け止められないけど、ここにくれば先輩の声を聴くことができる」と涙ぐみながら話していた。
ヒストリアはテーマシアターに続くコーナーに田中さんを紹介した前橋新聞「me bu ku」を配置、希望者に配布している。
9月30日まで入場無料。
ヒストリア前橋のあるビル「アクエル前橋」1階、TSUTAYA BOOKSTOREアクエル前橋では、田中敦子さん追悼コーナーを新設。
田中さんが吹き替えを担当した呪術廻戦、名探偵コナンなどのコミックを集めている。