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無農薬の前橋バナナを名物に 
小淵充さんの挑戦

2024.05.19

無農薬の前橋バナナを名物に 
小淵充さんの挑戦

道の駅まえばし赤城の一角に8棟のビニールハウスが建つ。中で育てられているのは、なんとバナナ。渋川市で12年間、イチゴ栽培をしてきた小淵充さんが昨年3月、「無農薬でバナナを育てたい。前橋の名物にしたい」と挑戦を始めた。アクシデントに次ぐ、アクシデント。それを乗り越え、出荷に漕ぎつけた小淵さんに話を聞いた。

モチモチさと爽やかな香り

熱帯のジャングルのようなハウスの中、1本の枝に約200本のバナナがたわわに実り、垂れ下がる。青いうちにもぎ取り、室(むろ)の中で一週間、少しずつ温度を変えながら追熟する。

房は大きく、艶々している。ひと口かじると、もちもちっとした食感とともに、鼻に抜ける爽やかな香り。「うまいでしょ」と小淵さんはニッコリ。確かにいままで出会ったバナナとは別ものだ。

▲名称はまえばしバナナ

昔から大のバナナ好きだった。「一日一本食べるのが日課です」

しかし、悩みは農薬。「市販のバナナのほとんどは外国産。栽培時に農薬を大量散布し、輸送中の傷みを防ぐためにも農薬が使われます」。群馬で、安全な無農薬のバナナを作りたい――、長年思い続けてきた夢が、道の駅「まえばし赤城」で叶った。

駅の敷地内に8棟のビニールハウスを建て、高級品種「グロスミッシェル」の苗を354本植えた。

▲道の駅に建つバナナのハウス

次の出荷は6月初め

イチゴ農家として長年実績を積み、果物を育てることには自信があったが、無農薬バナナは勝手が違った。

「虫との闘いはすさまじい。水で葉を一枚ずつ洗い流したり、虫の嫌がる酢をかけたり」。途方もなく手間ひまがかかる。

さらに追熟作業の際のミスで、2棟分100本のバナナは全滅した。「一緒に頑張ってくれた仲間のことを思い、夜眠れないほど落ち込んだ」

▲バナナ栽培に意欲を燃やす

しかし、残り6棟分のバナナは順調に育ち、昨年末、道の駅まえばし赤城の農産物直売所やスーパーへの出荷が叶った。1本400~500円と高価だが、「美味しい」「安心して食べられる」「贈答に最適」と売れ行きは好調。

次の出荷は6月はじめを予定している。

「1年かけて、バナナ栽培の流れはわかった。今後はさらに味と収量を追及したい。価格も下げていき、前橋の名物にします」と意欲的だ。

ここで買えます(6月初め出荷予定)

道の駅まえばし赤城 農産物直売所「AKAGI FARM LIFE」

お問合せはこちら
027-233-0070
住所 前橋市田口町36番地