interview
聞きたい
【聞きたい スプツニ子!さん4▶︎】
育児も家事も夫婦共同で 子どものかわいさを新発見
2022.02.02
様々なテクノロジーによって生まれる可能性のあるモノや思考、ライフスタイル。そんな未来を考察しながら、映像やインスタレーション作品を制作するアーティスト、スプツニ子!さん。テクノロジーはこんなに発達しているのに、なぜ女性は生理の痛みからまだ解放されていないのかという問いから生まれた「生理マシーン、タカシの場合。」、バイオテクノロジーという新しい技術と神話の共存性を問う「運命の赤い糸をはく蚕-タマキの恋」など、取り組む作品のテーマは多岐にわたる。
遊び心で温めるアイデアの卵
―2021年9月に第一子の女の子を出産されました。どんな変化がありましたか。
「アーティストとして何かが変わったという感覚は全くありませんが、個人として新たな発見はたくさんありました。一番大きな発見は、本当にありきたりなんですけど…。子どもはめちゃくちゃ可愛いっていうことです。
子どもができた後は、突然、町の子どもたちまで全員かわいく見えてしまって、赤ちゃんに話しかけるオバちゃん達の気持ちがすごくわかりました(笑)」
―母になったことで、作品が変わる可能性は?
「それはまったくないですね。作品制作は別ものですから」
―パートナーは育児に協力的ですか?
「協力的というより、主体的に取り組んでいますね。私達は完全に50:50で分担して育児をしています」
―それにしても、スプツニ子!さんが手掛けるテーマは幅広い。作品のアイデアはどこから出てくるのでしょう。
「決まった法則はありません。ただ、ニュースはたくさん見ます。特に、テクノロジーや科学関係のトピックは、興味があるので結構目を通しています。作りながら遊びながらアイデアを温めることも多いですね」
―遊びながらとは?具体的にどんな感じなのですか。
「先日はグーグルが開発した人工知能に三島由紀夫の小説を何冊か学習させて、三島由紀夫AIを作りました。『Mishimaボット』に質問するといろいろな答えがかえってくるんです。
『生きる意味はなんですか (What does it mean to live)』なんて感じで、自由にいろいろAIに質問を投げかけていました。そういった実験や考えごとを日々やっています。
アイデアって簡単に出てくるものではないので、常にその卵みたいなものをたくさん温めていますね。ラッキーが重なってタイミングが来たら形にします」
自分のできることに枠を設けない
―アーティストを目指す若者に何かアドバイスするとしたら?。
「アーティストに限らずですが、自分のできることに枠を設けない方が良いと思います。若いということはそれだけで可能性だらけじゃないですか。これから何を勉強するか、どんな仕事をするか、どんな人に会うか。そのとき、自分はここまでだなと枠を設けない方が、チャレンジが充実すると思います。
生意気なぐらい目標設定を高くして、どうやったらそこへ届くのかを考えて、動いてみる。ラッキーだったら、その高い目標に届くかもしれませんし、もしかしたら超えるかもしれない。万が一、届かなかったとしても背伸びした方が成長するじゃないですか。
変にわきまえずに、大きなビジョンを持った方が成長できると思います」
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