interview
聞きたい
3と8のつく日に開く
貼り絵と帽子と古道具の「yadorigi」
2023.02.19
弁天通りに3と8の付く日だけ開店する変わったショップがある。貼り絵と帽子と古道具の「yadorigi」。オーナーで前橋在住の貼り絵作家、ちぎらまりこさんに店を開いたきっかけや、商品構成について話を聞いた。
川越でのイベントをきっかけに
――小さな空間にいろいろなものが集まっていて、ミュージアムみたいなお店ですね。
「1階はアンティークの家具や小物、2階は帽子、洋服、そして貼り絵という構成です。Yadorigiは私を含めて3組の作家や古物商のプロジェクトなんです」
――みなさん、前橋の方ですか?
「いえ、前橋在住は私だけ。ほかの2組は埼玉県川越市にお住まいです。帽子と洋服は『KIKONO』というブランドを展開する住吉晃尚さん、陽子さんご夫婦。古道具は『pienikota (ピエニコタ)』という店舗を構える武藤早織さん、恒さんご夫婦の商品です」
――お店を開かれた経緯を教えてください。
「2018年の春、川越でアンティークとクラフトのイベントが行われ、そのメインビジュアルを貼り絵で作らせていただきました。住吉さんご夫婦と武藤さんご夫婦は出品者でした。『前橋は訪れたことがないので、今度遊びに行きたいです』なんてお話しをしていて、1週間後、本当に2組のご夫婦がいらっしゃったのがきっかけです」
――迅速な行動力ですね。みなさんの前橋の印象は?
「古い建物が建ち並ぶ弁天通りにとても興味を持たれました。特に、いまのyadorigiの建物、全員がひと目惚れしてしまったんです。昔は病院だった屋上付きの2階建て。レトロな感じがすごく良くて」
――そのときは空き家だったんですか。
「そうです。1週間後に、管理していた大蓮寺さんにカギを借りて中を見せてもらい、『ここでお店を開こう』と全員で即決しました。自分たちで壁を塗り、店内を一部修繕して2018年9月にyadorigiを開店しました」
貼り絵の似顔絵が人気
――ちぎらさんは貼り絵作家。どんな作品を作っているのですか?
「日焼けした英書や昔の新聞紙、包装紙、和紙を使い、着色して、人や動物、風景などの作品を作っています。古い紙を使うのは昔のインクの感じが好きだから。敢えて印刷を残したまま、作品にしています」
――貼り絵の似顔絵も人気だそうですね。
「はい。お客様と対話をしながら、その方の雰囲気が漂ってくるような作品を作っています」
――yadorigiは3と8の付く日だけ開店します。その理由は?
「オーナーの住吉さん夫婦、武藤さん夫婦と私、それぞれに製作活動もしていますし、別のお店を構えている方もいます。毎日、お店を開けるのはなかなか難しいという理由からです。順番で店番をしていますが、全員がそろう日は一気に品替えをしたりします」
――貼り絵以外の商品の特長は?
「住吉晃尚さん、陽子さんご夫婦が作る帽子はベーシックでクラシックで、長く使える質の良いもの。夏は麦わら、冬はフェルトの帽子が人気です。武藤早織さん、恒さんが扱う古道具は生活に溶け込む感じで、さりげないけれどおしゃれなセレクトになっています」
――お客様の反応はいかがですか?
「前橋の中心街は人通りがあまり無いので、最初は心配していましたが、段々、根強いファンが付いてくださるようになりました。商品を見て癒される、1日中ここに居たくなる、なんて声もいただきます。3と8の日をめがけて、遠方から訪れる方もいます」
――今後、どんな風に展開していくのでしょう。
「yadorigi(宿り木)とは他の木に共生する草木のこと。3組で力を合わせ、それぞれの個性を生かしつつ、大好きな弁天通りで楽しくお店を続けていきたいです」
店舗情報
yadorigi
住所 | 前橋市千代田町3-3-21 |
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営業時間 | 3と8の付く日の11時~16時 |