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食べたい

うめむら 
魚と仕事が光る夜

2025.12.06

掘り下げ式の席で味わう丁寧な料理

 案内された掘り下げ式の席に足を下ろすと、腰がすっと落ち着きました。インターハイ道路沿いにある和食店で、夜のおまかせコースをいただきます。日本酒は松の司、連れは黒龍。錫のカップに注がれた冷酒は温度のキレが際立ち、すっきりした辛口が料理に寄り添います。

 最初の料理は名物のおばんざい盛り合わせ。大皿に8種類が整然と並び、山茶花のピンクが彩りを添えています

▲これが楽しみで訪れる人も多いとか

 卯の花、茹で落花生、芋ようかん、カレー風味の切干大根など、どれも滋味深い味わい。ここで使う野菜の多くは店主・梅村崇さんの母、弘子さんが育てたものだそうで、素材の輪郭がしっかり立っています。

▲大阪で修業した店主の梅村さん

刺身の鮮度と職人技が続く時間

 続く刺身の盛り合わせは迫力十分。これで一人前です。梅村さんは「ほとんどは長崎五島列島から今朝、届いた魚なんですよ」と話します。キントキダイ、天然カンパチ、メジナ、カツオ、そして珍しいホッケの刺身まで8種類。鮮度の良さがそのまま旨みに変わり、生ワサビの香りが後味を整えました。

▲みずみずしい刺身

 温かい料理も印象的。ボラの白子の揚げ出しはとろりと濃厚で、風呂吹き大根には牛そぼろがやさしく絡みます。

 ホッケのフライ、サワラの塩焼きと続き、魚好きにも酒好きにも嬉しい流れ。派手さはなくても、一皿ずつ積み重ねた丁寧な手仕事を感じます。

▲白子の揚げ出し。澄んだ出汁に濃厚な白子

▲風呂吹き大根の牛そぼろのせ

▲ホッケのフライとサワラの塩焼き。お酒は長野の「善吉」に

 締めは「今日はとびきりのイクラが手に入ったのでイクラご飯です」と梅村さん。炊きたてのご飯に醤油漬けの大粒イクラをのせた一杯は、噛むたびに旨みが弾けます。味噌汁には梅村さんが山で採るという天然ナメコが入り、最後まで満足感が続きました。

▲今年はイクラが高値。こんなに食べられるなんて…

 〆は店主の手打ちそばになることもあるそう。これも食べてみたい。また伺います。

店舗情報

うめむら

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027-232-5747
住所 前橋市上小出町1-32-3
営業時間 11時~14時
18時~23時
定休日 月曜休