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食べたい

カフェBROWNS
本とキーマ、静かな昼

2025.11.30

築50年の洋館の静寂

　ステンドグラスが輝く玄関を開けると、静かな空気が広がっていました。

　築50年の洋館をリノベーションした店内には、本棚が壁一面に備えられ、背表紙が整然と並んでいます。

　店主・角田浩一さんは、煥乎堂で21年勤務した“本の人”。照明の落とし方や本棚の配置など、長年本と向き合ってきた人ならではの整え方です。

▲店主の角田さん。いまは一人で経営。年末から奥様も加わるそう

▲壁には本がずらり

　メニューを開くと、看板のキーマカレーに目が留まります。

　「藤沢市の人気店、ジャミンさんに特製のキーマカレー粉を特別に分けてもらっているんです」と角田さん。

　皿が届いた瞬間、香りがふっと広がります。挽き肉がたっぷり入ったルー。辛さは控えめで、香りが先に立つタイプ。テーブルにはチリパウダーの小瓶が添えられ、自分で辛さを調整します。

▲やや緑を帯びたルー

　連れはキーマカレーホットサンドのセットを注文しました。アツアツのまま二つにカットされ、断面には具材がぎゅっと詰まっています。パンの表面には縦に折り目正しい焼き目が入り、キーマととろけるチーズがよく合います。

▲キーマカレーホットサンドです

▲パリッと焼き上がったパンととろーりチーズ

　カレーを食べ終わったころに、奥からコーヒー豆を挽く音が聞こえてきました。一杯ずつハンドドリップで落としてくれるコーヒーとともに、奥様・由利子さんが作る台湾カステラをいただきました。フォークを入れるとぷるんと揺れ、空気をたっぷり含んだ軽い口当たり。甘さは控えめで、食後の余韻を邪魔しません。

▲ふっくら優しい甘さ

　階段を上がると、6席だけの読書室があります。500円までの注文で１時間利用無料。

　各席が区切られ、外の気配を感じにくい造りです。本を読むのにちょうどいい明るさで、角田さんが長く本に関わってきた背景がそのまま形になっています。

　次はコーヒー片手に、本の時間をたっぷり味わいたい。

▲読書室。丸電球に癒されます