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蕎麦処 芳の
贅沢な秋 見ーつけた

2025.11.25

キノコの天ぷらにつけ汁

 蕎麦の季節、キノコの季節になりました。蕎麦でキノコ尽くし。贅沢な秋を探しましょう。

 1人前の蕎麦に季節の天ぷら、きのこ汁を付けます。天ぷらはもちろんキノコ。エリンギ、ヒラタケ、シメジと並びます。シュンギク、甘唐辛子にかき揚げと秋の野菜もふんだん。2人で分け合うとちょうどいい量でしょう。ヒマラヤ岩塩をちょこんと付けて。うん、美味しい。

▲季節の天ぷらを召し上がれ

▲キノコの香りが閉じ込められた天ぷら

 瑞々しい蕎麦が来ました。一口大に丸めた戸隠蕎麦のボッチ盛り。1人前で8ボッチあります。半分を蕎麦汁で、残りをきのこ汁で。瞬時に計算します。

 まずは新蕎麦の時季の儀式を。2、3本手繰り、そのまま口へ。へぎ蕎麦のように布海苔をつなぎに使っていて、「ぬめっこい」喉越しが最高です。

▲蕎麦1人前。ボッチがきれい

▲2人前は「五合」と呼びます

▲「星」が見えますか

 色白の細切りの蕎麦にはかすかに「星」があります。風味と色合いを加えるため、石臼で挽いたソバ粉に甘皮を入れてもらうとか。馥郁たる香りがします。

 蕎麦汁はすっきりした味わい。濃さもちょうどいい。蕎麦を半分浸して粋にズズーと啜ります。

▲蕎麦1人前にきのこ汁

▲熱い汁に浸して

 熱々のきのこ汁も試しましょう。いい香り。一瞬、蕎麦が膨らむ感じです。キノコはマイタケ、シメジ、ヒラタケ。ゴボウと油揚げも入っています。天ぷらもそうでしたが、ヒラタケは肉厚で食べ応え十分。噛むと旨みが染み出し、汁にも溶け込んでいるようです。

 蕎麦湯で割り、キノコと出汁の旨みが出た汁を上質なスープのように堪能しました。

同郷の名人のソバ粉に誇り

 店は2022年10月、高崎市内の人気店で店長を務めていた森田芳子さんが独立し開店しました。

 高山村出身の森田さんがこだわったのはソバ粉。自ら栽培し週末は蕎麦店を出していた名人、高栁克巳さんのソバ粉を譲ってもらっています。残念ながら高栁さんは一昨年6月に永眠されました。ソバ粉は奥さまや仲間が遺志を継いで栽培しているそうです。

▲ソバ畑の中の高栁さんご夫妻

 「高栁さんの分も頑張って、美味しい蕎麦を打ちます」。気合の入った蕎麦、いただきます。

店舗情報

蕎麦処 芳の

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027-212-2311
住所 前橋市山王町2-44-4
営業時間 11時~15時
定休日 木曜