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食べたい

アトリエバー 3/4ビストロ AO
裏弁天通りの秘密基地

2025.11.07

名のない料理でおもてなし

 昭和レトロな裏弁天通り。ひっそりと灯る柔らかな光に誘われ扉を開けました。

 70年前の建物を活かした店内はコの字型の木のカウンターだけ。フランスの下町にあるビストロみたいです(行ったことないけど)。天井から下がるランプシェードの飾りは写真のネガ。光が透けて、誰かの記憶がゆらゆらしていました。

▲手作りのランプシェード。飯島さんの作品も飾られています

 メニューはありますが、ここでは食べたいものや飲みたいものを伝え、マスターの飯島浩さんに気分次第で出してもらいます。1人飲みの時はいつもそう。

▲ビール注ぎも達人。「缶が1番新鮮」と言い切る

 まずはイタリアのビール「モレッティ」をいただきます。

 「最初の一杯は僕が注ぎます。少し時間をください」。 そう言って缶からグラスへ3度に分けて静かに注ぎます。雪のような細やかな泡のビールがカウンターに置かれました。一口飲み、心の中で拍手。

 最初の一皿はゴボウと長ネギを醤油ベースの出汁で炊いた「名のない料理」。サーロインの端肉とチーズも入っています。和なのか、洋なのか。まあ、そんなのはどうでもいい。ただ、美味しい。

▲皿に描いたアートのような料理

 2皿目は豚ヒレ肉。「オリーブオイルで軽く焼いてからハーブの湯に漬けた感じ」の料理はブロッコリーポタージュの上に鎮座し、パン粉と蕎麦粉を炒ったトッピングが香ばしく踊ります。

▲料理に合わせてワインを出してくれます

 合わせたワインはイタリア・サルディーニャ島の「ピエロ・マンチーニ」。洋ナシのような香りがふわっと広がり、料理を引き立てます。

▲玉子を2個使い、白身と黄身を別々に泡立てます

 3皿目は「スフレリーマ」。やっと名前のある料理に出会えました。ふわふわのフランス風玉子焼き。 オニオンミルクのソースで軽く火を通したレタスが添えられ、バターの香りと卵の甘みが調和しています。

料理人とデザイナーの二刀流

 最後に赤ワインをグラスで。銘柄は何だっけ。でも、楽しい時間だったことだけは覚えています。

 飯島さんは調理人であり、テキスタイルデザイナーでもあります。芸術肌で料理も独創的。適度に距離感を取ってくれ、居心地の良さはこの上なし。「大人の秘密基地」。そんな空間へようこそ。

▲赤ワインを片手に語り合います

店舗情報

アトリエバー 3/4ビストロ AO

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080-5930-3494
住所 前橋市千代田町3-9-13
営業時間 18時~翌2時(日曜は21時)
定休日 不定休