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食べたい

居酒屋 傳幸(でんこう) 
丸太空間で遊び心メニュー

2025.08.29

女将が優しい笑顔で

 群馬大学荒牧キャンパス近くの居酒屋「傳幸」は昨年3月、新しいスタートを切りました。元店主の長谷川誠さんから引き継ぎ、竹下順子さんが女将に。竹下さんは天ぷらの名店「逢とり縁」オーナーの奥様。ふんわりした笑顔で迎えてくれると、自然と心が和みます。

▲女将の竹下さん

 料理はコース中心からアラカルトへ。スタッフみんなでアイデアを出し合い、少しずつ形にしてきたそうです。選べる楽しさがあるのは、やっぱりうれしいことです。

 店内は山小屋風で木のぬくもりに包まれています。テーブルも椅子も丸太を加工したもの。案内された掘りごたつ式の席は、桜の古木を使った長さ7㍍ほどの一枚板で、なんとも贅沢。腰を下ろすと、お通しは刺身のマリネ風。丁寧な仕事が光り、最初のひと口から期待がふくらみます。

▲お通しも充実

 「ちょい飲みセット」を注文しました。ドリンク2杯と日替わりつまみ2品で1500円。この日のつまみは、枝付きの大粒枝豆とヤゲンナンコツのおろしポン酢。ナンコツは茹でてあってポリポリ。大根おろしとポン酢のさっぱり感で、箸が止まりません。

▲ちょい飲みセット

名物はもんじゃサラダ

 「冷やしキャベツ」は、茹でキャベツにジャコ、紫蘇、カリカリ梅をまぶした乙な味。
 名物「もんじゃサラダ」はキャベツ、紅生姜、ベビースター、揚げ玉にソース。青海苔と鰹節が踊り、まるでもんじゃ焼きの粉なし版です。懐かしさと工夫が同居する一皿でした。

▲もんじゃサラダ

 揚げたてポテトが主役のフィッシュ&チップスもおいしかったです。熱々を頬張ればビールが進みます。そして懐かしの「電気ブラン」。これは元店主が「学生さんが好きだから残してほしい」と残したもの。群大生の声が、今もメニューに生きています。

▲フィッシュアンドチップス

 驚いたのは「国産牛あぶりのすき焼き風」。玉ねぎの上に牛肉をのせ、バーナーで炙って仕上げます。香ばしい匂いに包まれる瞬間は格別で、思わず目を閉じました。

 傳幸の料理はどれも派手ではありませんが、一つひとつに工夫があり、食べる人を楽しませたい気持ちが伝わってきます。女将とお客、料理が織りなす時間そのものが、この店の一番のごちそうでした。

▲国産牛あぶりのすき焼き風

店舗情報

居酒屋 傳幸(でんこう) 

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027-232-0774
住所 前橋市荒牧町4-10-22
営業時間 18時~23時30分
定休日 月曜、不定休あり