そば処 孫平治
野趣あふれる粗挽きが進化

もりを一升とか七合といった単位で注文、大ザルに盛られた蕎麦をみんなで取り合って豪快に啜ります。こちらの店の醍醐味ですが、お一人様でも大丈夫。１人前も用意しています。もっとも、１人で五合（２人前）召し上がる人も少なくありませんが…。

１人前に季節の天ぷらから「新玉ねぎと小海老のかきあげ」をいただきました。こちらも通常の半分の１人前の量。ありがたい配慮ですね。

戸隠蕎麦のように一口大にまとめたボッチ盛り。10ボッチあります。結構な量ですよ。挽きぐるみが入り、黒いホシが見えます。荒々しさが好きです。

まずは、少し塩を付けて。甘みと香りを感じられます。コシの強さは相変わらず。それでいて、ぬめっこいのはつなぎに布海苔を使っているからでしょう。新潟のへぎ蕎麦を上州風に進化させたようです。

汁に付けてズズーと啜ります。やや濃いめの汁が野趣あふれる蕎麦に合います。

天ぷらはタマネギを１個使っていそうな大きさ。生でも美味しい新玉ですが熱を加えると甘さが引き立ちます。エビはプリプリ。いい組み合わせですね。

蕎麦湯を飲みながら、サービスの蕎麦寒天を味わいます。至福のお昼でした。

「北海道産か長野県産か、その時季でいい玄ソバを石臼で粗挽きし二八で打ちます」と店主の岡田勝明さん。高崎市内の蕎麦店で修業、10年ほど前に念願の店を出しました。独立時に比べやや細打ちになり、洗練された感があります。修業先への恩返しですね。