そばギャラリー中むら
油彩画と手打ち蕎麦と

趣きのある店に入ると、油彩画が何気なく飾られています。ご主人の中村光彦さんはかつて二科展で特選に輝いた実力者。奥様の紀久世さんはいまも現役で絵筆を握っているそうです。

北海道産の蕎麦粉が基本ですが、信州産の蕎麦粉を使った戸隠そばもあります。食べ比べてみますか。

まず出てきましたのは戸隠のもり。舞茸の天ぷらも付けました。一口大に束ねる本場のボッチ盛りではなく、普通の盛り方でした。

蕎麦はやや太め。香りとコシの強さを感じます。汁は薄口なので、たっぷり付けて。それでも、もう少し濃くしたかったので、薬味にあった野沢菜を入れてみました。これが正解。信州の田舎蕎麦のようです。

舞茸はもちろん揚げたて。カラっと揚がっています。汁に浸していただきます。旨いなあ。

続いては店頭の幟にあった鴨せいろ。うどんも食べたかったので相盛りにしてもらいました。

蕎麦は戸隠より細打ち。喉越しがよさそうです。

汁は大ぶりの鴨肉が６切れ入っていました。はい、もちろんネギも。脂と旨味が溶け出していますね。こちらもやや薄口。たっぷり付けましょう。

うどんは中細です。上品な汁には太いのより合いますね。瑞々しく美味しいうどんでした。

ご主人は城東町で1953年に創業した中村屋の２代目。1993年、現在地に移転して店名も一新、それからもう30年になります。お二人とも確か、80歳を超えているはず。お体ご自愛いただき、末永く暖簾を守ってください。