めん処　立花家
鴨汁蕎麦、こんなに安くていいの

「あーりがとうーございましたー」。食事を終え、店を出るお客さんを独特の抑揚を付けた言葉で送り出します。活気のある厨房。期待できますね。

しかし、安い。お品書きを見て驚きます。もり、かけがワンコイン。天なべ焼きうどんを除けば、単品はすべて1000円未満。これでも昨年秋に値上げしたとか。

豪勢に（？）鴨汁蕎麦にします。680円ですが。前橋市内で最安値ではないでしょうか。

蕎麦は町場の蕎麦屋さんによくある、やや黒ずんだ中細の蕎麦。海苔がかかり、量が多い。

鴨汁は意外や鴨肉たっぷり。相性のいいネギはもちろん、ワカメ、カマボコと具だくさんです。

蕎麦をたっぷり付けて、一気に啜ります。鴨肉から溶け出した脂とコクが加わり、うん旨い。蕎麦に七味を掛けて、熱々の内にいただきます。

相方のカレーうどんも旨そう。豚肉と長ネギの組み合わせは、元祖の一つとされる、いまはなき早稲田の三朝庵と同じ。出汁の香る蕎麦屋さんのカレーうどんです。

うどんは中太でもちもち。粘度はそれほどでもなく、スープと一緒に啜ります。「あー旨い」。七味をこれまでかというくらいかけていました。

ネギの皿に「立花屋支店」と書かれていました。店員さんに聞きましたら桐生市にあった本店で修業したそうです。開店して半世紀以上とか。本店はすでに店仕舞い。伝統を引き継いでいます。